豊島逸夫の手帖

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ゴジラ相場

2006年1月17日

1月16日の欧米市場はNYが休日にもかかわらず、560ドル突破。NY市場休場の日に欧州市場だけで大台突破というのも珍しい。今の買いが従来に比し如何に広範に亘るかを物語る現象だ。17日のNYまで待てないというわけか。

本稿執筆時点(17日朝9時)でもスポット562ドル。ドル円は115円台へ逆戻り。円建て金価格も再急騰となろう。

金ETF残高も引き続き力強い増加。1月5日時点の360.69トンから1月16日時点には368.47トンへ。新高値でも買いが止まらない。

今の相場を命名すれば、ゴジラ相場といえようか。そのココロは、ゴジラが手当たり次第、むさぼり、飲み込み、火炎のエネルギーを吹き出すように、市場が、目に付く材料を全て吸収し、使えるものは全て使い、上昇エネルギーに変えている。

ドル高は使えないから吐き出し、ドル安は貪欲に材料視する。マクロ経済要因が使えない日には、イランという新地政学的要因を囃す。それが鎮静化すれば、中央銀行売却の噂も控えている。材料の持ち駒には事欠かない。

1月11日の本欄でも述べたが、このまま600ドルまで突っ走ってしまえば、急騰のあと急落となる逆V字型になってしまい、結局振り出しに戻る公算が強くなる。ここで調整が入るか否か。今年前半を占う意味でも正念場である。

まずは、今夜NYが出てきた時に、560ドル台でどのような反応を見せるかに注目。明日には米消費者物価上昇率(CPI)発表も控えている。金ETF残高も、仮にネットベースで減少の兆しでも見えると、一気に利益確定売りが入るきっかけになり得るから注意。

2006年