2006年3月10日
日本の量的緩和解除決定の材料は、既定路線という理解のもと、欧米では軽~く無視された。再燃という地政学的リスク。そして、今日発表の米国雇用統計。これについては、3月6日付"マクロ経済の潮の変わり目"で既に述べた。下馬評では良い数字が出そう。そうなると、長期的にはインフレ懸念再燃となるが、目先はまず利上げ継続観測が優勢となり、金には売り材料となる。
そのような背景で、540ドルまで下がったところは、またもや地政学的要因で支えられたものの、550ドル回復には至らなかった。相場のアタマが重くなったと感じる。
520-530ドルの水準が目下の需給均衡水準だと思う。世界中の金投資家の多くがそこまで下がったら買うと同じことを言っている。それゆえ、下がりきれない。理屈では割り切れないのが生きた相場なのだろう。