豊島逸夫の手帖

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バーナンキ"市場は誤解"発言でムード一変

2006年5月2日

今朝、例によって朝5時のCNBC NYからのクロージング ベルをつけたら、キャスターのマリア バーティロモ姐さんが、いつになく強い調子で"バーナンキは週末に私にこう言った"と語っている。(彼女に関しては4月10日付け原稿"グリーンスパン講演料は金で"にて紹介した。)

なんだと思ったら、"メディアやマーケットは私を読み違えている=Media and market read me wrong."というバーナンキ発言報道が引けにかけて流れ、NY株式市場は急落している。そうか、マリア姐さんの強気は、スクープしてやったりの自信の表われだったのかと納得。それまでマーケットを支配していた利上げ打ち止め論が急速に萎え、金価格も一時スポットで660ドルを突破していたのが、本稿執筆時点(5月2日朝7時)では654ドルまで反落中である。

バーナンキは同時に金利に関して"ハト派ではない(利上げ継続強行もありうるというニュアンス)"とか"フレキシブル=柔軟に対応"とか、一方的解釈は許容しない姿勢を見せている。まぁ、バランスとったのかな。

とはいえ、"反落"と書いたけれど、650ドル台の高水準にあることは変わりない。バーナンキ発言程度で流れが変わる金市場ではない。相変わらず、下げ材料は軽視し、強気の材料には貪欲に喰らいつき、買いのエネルギーの炎にして吐き出す"ゴジラ相場"である。

筆者の注目点は、インドの需要が600ドル台を徐々に受け入れはじめていること。以前にも書いたが、インドの花嫁の父は、5月の婚礼期も迫り、持参"金"が高騰しているから買えないとは言えないのだよ。ご祝儀モノは気張ってケチらない気風は日本と同じ。

相場が500ドル台のときは、600ドルを相当に厚い壁と感じたが、いざ600ドル台になると、700ドルにはそれほど強い抵抗を感じない。700ドル説も自然に増えている。もはや、コモディティー(商品)のロジックでは説明不可能ということが明白になり、かえってマーケットとしてはふっ切れた感じだ。

2006年