豊島逸夫の手帖

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プラチナ異変 続編

2006年11月22日

昨日、本欄にプラチナについて書いてから16時間経ち、その間、まず1400ドルまで急騰、そして本稿執筆時点(11月22日朝10時)では1100ドル台まで急落。プラチナ現物を借りて手当てするためのリース市場のリースレートも100%とか、とんでもない数字が飛び交っている。いくらなんでも ちょっとやりすぎじゃないの、と言いたくなる。真空地帯に値だけが飛んでいる状態だ。慣れっこのはずの筆者だって、思わず口あんぐり。

結局、流動性の無い市場が、マーケットの機能を失ったとしかいいようがない。 プラチナ市場の見通し(11月13日付)でも述べたことだが、今のプラチナ市場は需給の微妙なバランスの上に成り立っている。ジョンソンマッセーとかGFMSとか、有力な調査年報の書き方のニュアンスも、精読すると、供給過剰、需要超過、どちらにも解釈できる内容だ。それゆえに、ETFなどの噂に大きく左右されやすい構造になっており、そこに仕手筋は生きがいを見出す。数時間の売買という"急ぎばたらき"が幅を効かす堵場ゆえ、くれぐれも素人衆の旦那方はお近づきにはならぬように。

さて、今日の日本経済新聞本紙国際面に注目すべき記事二つあり。
―イラク、シリアと復交。中東に新たな緊張も。
―中印、首脳級で定期協議。信頼醸成カギ。
プラチナの"コップの中の嵐"などに気をとられている間も、世界の情勢は刻々動いているのだ。

上記の2つの展開を見て、米国は、複雑な心境のはず。ブッシュのベトナム訪問だって、(戦争の過去は捨てて)中国封じ込めの意図もちらつくしね。

最後に、ガラッと話題を変えて、リサイクルについて。先日、我が家のお茶の間で妻がしきりにタンスの肥しとなった古いジュエリーをかき集めている。聞けば、近くのスーパーの2階で金プラチナジュエリー出張買い取りというチラシを見たと言う。その買い取り価格を見てびっくり。純金ベースでグラム1000円ちょっとである。それはないよね。顧客サイドが、買う時はグラム数円の差で大騒ぎするのに、リサイクルで売るとなると、"売れれば御の字"という心境になるのだろう。でも、これからは適正価格にての買い取りが求められるなと痛感した次第。

2006年