豊島逸夫の手帖

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中国外準分散発言で18ドル急騰

2006年11月10日

マーケットにボラ(=価格変動性)が戻ってきた。米民主党勝利に起因する投機筋の手仕舞い売りが一巡するや、すかさず買われた。原油反騰、ドル安、そして中国人民銀行総裁のフランクフルトにおける会議での発言を伝える外電。

遂に1兆ドルの大台に達した外貨準備を分散させる意志ありとの報道である。

マーケットの誰もが1兆ドルも貯めこんで一体どうする気だと訝っている矢先だから、この程度の発言、或いは噂にも敏感に反応する。やっぱり...、そうなると金も分散対象のなるんだろうなぁ...、まだその程度の話と理解すべき。

昨日の日経プラスワンセミナーでも、プロの発想は噂で買って ニュースで売れなのだということを話した。更に質疑応答で1000ドルありや、と突っ込まれ、1兆ドルの臨界点のシナリオを語ったばかり。

さて、中間選挙の結果も、民主党勝利を見込んだ投機買いが手仕舞われると、マーケットには米国民のブッシュへ不信任=世界から見れば米ドルへの不信任ということで案の定ドル売りが再燃。

金ETFの伸びも凄い。490トンからあっという間に518トンまで急伸。担当者も舌を巻くほど。今回の金価格反騰の主役といっても過言ではないと思う。

投機筋の売り 対 年金買いの構図が続いている。

今日は福岡でRKBラジオゴールドセミナー。

昨日の名古屋では嬉しいことがあった。セミナー後、ある男性が、毎日本欄を読んでいて初回から全てプリントアウトして保存しているとのこと。こういう話は筆者にとってなによりの励みである。それから新幹線で名古屋駅に降り立ったとき見知らぬ男性から声かけられ、東京からわざわざセミナー聞きにきたとのこと。駅構内で立ち話ながら、問われるまま日本国の債務について答えた。これも筆者には嬉しい話である。取材などで見える記者さんも最近は皆さん本欄読んでこられるので話が早い。毎朝書き甲斐があるというもの。今日は羽田のラウンジで執筆中である。いずれは読者の皆さんとじっくり語れる場を作りたいものと願っている。

2006年