2006年4月25日
ドルが急落。週末G-7で人民元切り上げを求める欧米共同戦線が確認されたこと。スエーデンが外貨準備についてドルは絶対的通貨ではないとしてドル離れ示唆。カタールもユーロ比率を40%まで引き上げ。以上が材料視されている。双子の赤字という構造要因が再びクローズアップされてきた。筆者が繰り返し述べてきたことだが、ドル円は構造要因と金利差要因の綱引き相場。二つの方向性の異なるベクトルが拮抗し、結局決定打とはなりきれないと思う。
さて、ドル安=金買いとなったかといえば、逆に出た。本稿執筆時点でスポット金620ドル(4月25日朝7時)。相変わらず24時間の値動きは上下20ドル近い。
結果的に金は原油安のほうに強く反応した。マーケットは買い超過に対する警戒感が強く、利益確定売り正当化のために原油安のほうを選択したということか。
銀もさすがにETFという材料だけで引っ張るにはしんどくなってきた感じ。それより、これだけ囃してもしETFが実現しなかったら それこそ失望売りに晒されよう。そうなると金も先週金曜のように巻き込まれるのは必至。
マクロ経済的には、今週バーナンキ議会初証言に金融市場全般は注目。既にFOMC議事録に利上げ打ち止め路線が色濃く出たことを受け、未だ疑心暗鬼のマーケットは彼の片言隻句にその確証を求める。FOMC議事録に対しバランスを取り、利上げ継続などのニュアンスを仄めかせると、神経質な市場は反応しそう。
全体的に、金市場は強気材料を目一杯取り込み織り込んでいるので、サイコロの目が逆に出た場合が気になる。