2006年11月17日
Crazy money for Japanese pitcher(日本人ピッチャーにクレージー マネー)
これ、米国経済専門チャンネルのヘッドラインである。大リーグ選手の巨額報酬に慣れっことはいえ、今回の交渉権だけに5000万ドルという金額が、経済的に見て採算が取れる話なのか??というニュアンスが表われている。最終的には契約金も含め1億ドルに近くなろう。"億ドル"となると、これはマクロ経済統計の水準の桁である。
これも大袈裟に言えば、過剰流動性(世界的カネ余り現象)のイタズラなのか。おカネもひとたび暴れ出すと、不可解な行動に走ることもしばしばだ。これを親の立場から見た子供たちにたとえるとこうなる。
おカネというものは、本来は孝行息子である。ちゃんと働いて稼いで、いくらか親に仕送り、小遣いもくれる。おカネだって、ちゃんと働けば利息、配当も生んでくれる。ところが、放蕩息子となると、親からの仕送りもギャンブルに消える。おカネも、バブルになるとハイリスクハイリターンに踊る。
それでは、金(=ゴールド)に投資されるおカネはどうか。ひとことで言えば、親と同居だが地味な息子で小遣いをくれるわけでもない(現物を自己保有しても利息を生むわけではない)。でも、イザと言うときにはしっかり親を守ってくれる、頼りになる、そんな存在だろう。
松坂60億円のニュースを聞いたときの、カーディナルス田口選手の反応が印象的だった。(やってられねーな、という表情で、)エエッ?60おくぅぅ?ちょっとは、こっちにも廻してくれよぉぉ!
でも、ヤクルトの岩村選手だって、デビルレイズと5億円の契約と伝えられる。日本人選手の値段が、メジャーリーグのおカネが流入したことにより桁が違ってきたことは確かなようだ。
この現象は、ゴールドの価格にも当てはまるストーリーだ。株、債券などのメインストリーム(主流)のおカネが流入して、マイナーリーグからメジャーリーグの年俸に移行中という感じだ。リーグが変るということは、フランチャイズも野球場も変るということだから、ギョーカイ内は当然大変なことになる。川崎球場でホットドック売っていたオジサンたちが、新設ドーム球場でチアーガールになるわけにもいかないしね。
でも、観衆が飛躍的に増えるのは間違いない。あとはドーピングとかステロイドにだけは気をつけよう。