2026年8月25日

ベッセント財務長官は徹底的に米国超長期債の利回り上昇を封じ込める姿勢だ。
米国債券市場での米国債買い戻し(介入)のため、更に1兆ドルもの資金を財務省の「一般口座」から支出する用意があると発言。
それほど米国財政赤字は危機的状況にあると公的に認めているようなものだ。
同氏の裏にはトランプ親分の姿がちらつく。
「中間選挙前の金利上昇は住宅ローン金利に直結するから何としても食い止めろ!」と背中を押されてのことであろう。
この債券市場介入が時間稼ぎで血止め程度の効果しかないことは、元ヘッジファンドのプロであるベッセント氏が最も良く知っているはずだ。
金市場の視点では苦渋の決断であり、財政問題の危機的状況を映す現象。金買いに拍車がかかる。
更に、ベッセント氏は対イラン「史上最大」新経済制裁も発表。
イランと取引する国に対して「例外はない」と。
金市場の視点では米ドル資産を多く持つと「いつ制裁の対象となるのか分からない」という警戒心が強まる。外貨準備もドルではなく、金で持つという発想が益々強まろう。
今回の新制裁の中に「金」も含まれるが、これはイランによる金売買を禁じること。金市場全体への影響は軽微である。
もし影響があるとすれば、世界の中銀の金塊を大量に保管するNY連銀から金を引き出し、自国へ戻す事例が出る可能性か。香港やシンガポールのように公的金保管サービス施設の建設を進めている国にとってはチャンスになるかも。
そして最も重要なことはドルを差し押さえられる可能性を嫌い、中央銀行が外貨準備として金を増やす傾向をいやが上にも高める可能性だ。
さて、今週はいよいよジャクソンホール中央銀行シンポジウム。
米国時間27日午前10時からウォーシュFRB議長登壇。
ウォール街は寡黙なウォーシュ氏も何か語らねばなるまいとの認識の下、興味津々の様相だ。仮にFRB利上げに言及すれば、これは金価格下落圧力となる。筆者は結局大したことは語らない(語れない)と推測しているが、いずれにしても要注意。
何せウォーシュ氏はFRBが金融政策方針を自ら明らかにするべきではないとの考えで、まずは債券市場での金利の動きを見て、FRBとして反応するという方針。
ウォーシュ氏とベッセント氏の立場の違いも微妙だ。
ベッセント氏は断固、長期金利上昇を抑える姿勢。対してウォーシュ氏はインフレ退治のために、政策金利上昇を考慮せねばならない立場。
米国経済にとっての最悪のシナリオはウォーシュ氏のインフレ退治の利上げに対して、ベッセント氏は金利上昇を抑え込むことで、FRB利上げ効果を妨げる結果になること。結果的に利上げが後手に回り、インフレが加速することになりかねない。
親分格のトランプ大統領も中間選挙前にインフレ加速は絶対避けたいところ。
さぞイライラしていることであろう。支持率低下中だしね。
なお、下記は日経新聞関連記事。
ドル離れ「ディベースメント取引」再燃の兆し 金や仮想通貨にマネー - 日本経済新聞
さーて、今日の札幌は25度。いよいよ秋めいてきた。朝方は底冷え。35度予報の東京より10度低いよ。
写真はトマトと名物のらいでん西瓜。赤色野菜と果物の競演。

