2026年8月21日
超長期米国債の利回りが急上昇するということを世界のマネーの流れという観点から見れば、世界のAI関連企業が設備投資等のため巨額の長期社債を発行して、投資マネーを吸い上げ、「安全資産」のレッテルで買われてきた米国債にまでおカネが回らなくなったという現実も重要だ。マネーを押し出すという意味で、クラウディングアウト(crowding out)と呼ばれる現象だ。
40兆ドルという途方もない債務を背負った国の借金証文などを買うより、将来性が見込まれるAI関連分野の企業が発行する社債の方が投資妙味があるという投資家の判断が顕在化しているのだ。
こればかりはベッセント財務長官が「米国債買い戻し」に動いても変えられる事象ではない。
更に、そもそも米ドル金利上昇のキッカケとして地政学的リスクによる原油価格急騰も見逃せない。これもベッセント氏が抑制できる話ではない。
ベッセント氏もプロのヘッジファンド出身ゆえ、この程度のことは充分承知の上のことだ。
それでも米国債買い戻し(バイバック)を実行せねばならなくなったのは、親分であるトランプ大統領の意向を受けてのことだからだ。
米国債が売れず、ドル長期金利が急騰すれば、住宅ローンの金利も即、上昇してしまう。政治的に今年の最重要イベントと言える中間選挙を控えてのことだ。ただでさえ人気取りポピュリズム的な放漫財政がマーケットでは財政悪化要因として意識されている矢先でもある。
ここはトランプ組、若頭とされるベッセント氏もバンドエイドみたいに取りあえずの血止め効果に留まると分かっても、苦渋の決断を強いられた状況なのだ。
案の定、NY市場の評判は芳しくない。時間稼ぎとのレッテルが貼られている。
特に超長期債を買い戻す代わりに超短期の財務省証券を発行、つまり売らねばならない。
サラ金のローンで長期の借金を繋ぐようなものだ。
ただでさえ超短期の借金証文は短期的売買の対象になりやすい。ヘッジファンド業界から出世したベッセント氏がそのヘッジファンドの投機的売買に晒され苦労するという皮肉な流れになってきた。
このような現実を見せつけられると「やっぱり、ゴールド」という見直し機運が更に高まるは当然の成り行きだ。
世界の国々の中央銀行が外貨準備として米国債より金を選好する動きを裏付ける現象にもなっている。
昨晩OAされたベッセント財務長官の苦しい言い訳の様子を伝えるYouTubeを添付しておくよ。英語が理解できなくても臨場感が伝わってくると思う。
https://youtube.com/shorts/DV-uDyJIR7k?si=1Cche3toOLnehwe7