2026年9月11日
昨晩のNY金市場は、米生産者物価指数(PPI)発表を機に下落したが(KITCOグラフ緑線参照)下落幅は限定的。強力な長期保有者が下値を支える構図。
対照的に中央銀行の買い対象になっていない銀・プラチナは、買い支え役に欠け、下げがきつい。
PPIは前年同月比で5.4%上昇と、7月の4.8%から加速。
折から、中東情勢悪化により再び原油価格は100ドルを超え、トランプ大統領もお手上げ。
これまで中間選挙までには中東情勢の緊迫化も治まると語ってきたが、昨日はイランとの戦闘が長引き、政権がガソリン高への対応を迫られる中で、トランプ政権が厳しい現実を認め「11月の中間選挙が終わるまでには原油価格が下落しない可能性が強い。選挙よりも時間がかかると思う。」と楽観論を翻した。
この金価格の下落を下値で支えたのが、中銀の買い以外にも米財政不安問題である。
ベッセント財務長官が米長期債バイバックを実施したが、60億ドルとしていた最大規模を下回った。
その結果、長期金利の指標となる10年債利回りは4.96%と2023年10月以来の高水準。5%の大台が視野に入る。いよいよ米国債の信頼性が更に失われる現象だ。
トランプ発言も金価格には追い風となった。
9日の共和党大会で共和党が上下両院の多数派を維持すれば、米国の成人市民に一人当たり5000ドル(約77万円)を支給するとぶち上げたのだ。
この発言を聞いた時には、筆者も選挙前のポピュリズム「財政バラマキ」に慣れてはいるが、さすがに開いた口が塞がらなかったよ。2億7000万人が対象になるとすれば1兆3500億ドル規模のバラマキとなる。
支持率急落により必死の焦りが透けるが、今後も何をしでかすか分からん。それが金価格には買い要因となることが、素直に歓迎できない気持ちだよ。
そして今晩はCPI!。さて、どんな荒れ方をするのか。前月比で変わらなくても高止まりで金には下落要因になるはずだが、こればかりは蓋を開けてみないと分からん。
いずれにせよ、昨晩同様に下がっても限定的と見る。
総じて、虫の目で見れば、世界的金利上昇は金利を生まない金に逆風。しかし、その理由が財政不安ゆえ、魚の目で見れば金には追い風。
それからドル円相場。
9月米利上げ確率が8%ほど上がり、70%前後になり、更に年内複数回利上げの可能性も出てきたので、NY市場ではドル高。
対して、日銀も複数回利上げが意識され円高。
がっぷり組み合った相撲で、154円前後で推移。
筆者はご存じ筋金入りの円安派。その見方は変わっていない。