2026年9月4日

ウォラーFRB理事と言えば、19名のFOMCメンバーの中でも優秀なエコノミストとして知られ、これまでも同氏発言で株やドル、金が動く局面が少なくなかった。
今回は現時点で最も話題になっている「利上げ」について、「未だ機は熟していない」と発言。
ウォーシュ議長のタカ派的発言に一石を投じる結果になり、9月利上げ確率も減少。
と言っても、利上げ有りと無しの確率がほぼ5分5分になったという程度だけどね。
なお、直近ではNY連銀ウィリアムズ総裁も利上げに慎重な含みを持たせる発言で注目された経緯もある。
ウォーシュ議長はこの内部の意見不一致を「family fight=家族喧嘩」と表現しているが、割れる見解を調整するのは容易ではなかろう。
そして世界的長期金利上昇傾向。
これは金利上昇と言う意味では金利が付かない金には逆風だが、その理由が長期国債売りに晒されるという実態は財政不安ということなので、天秤にかけ、金価格上昇要因とされている。
因みに、円155円に急騰したことも結果的にNY市場では「ドル安」ということで、金買いの理由にされている。
なお、最近は日本株・円・日本国債とジャパンがNY市場内で強く意識されている。
これまで軽くスルーされ、高市首相の名前が会話に出ることは稀であったことを思えば大きな変化である。但し、リスクという意味で意識されているので、素直に歓迎できる話ではない。
その円急騰だが、ベッセント米財務長官が日本の財務省に強硬な口調で「円安放置を懸念」と語ったという外圧が効いている。いよいよ日銀も利上げを決断するとの読みで円が買われた。
とは言え、円安のファンダメンタルズを容易に変えることはできず、方向性としては160円方向に逆戻りすると筆者は見る。日本が海外から見て、投資したいと思う国になることが必須条件だが、日本企業の問題は米国の巨大ハイテク企業のような株式市場を引っ張る力に欠けること。様々な企業が分散しており「世界に通じる引力」に欠ける。
さて、話を金に戻して、もうひとつ直近で話題になり、NYタイムズでも大ぶりの記事で書かれた事象。
それが主要国公的保有金の米国離れ問題。直近ではオランダ中銀が90トンの公的保有金をNY連銀の金庫からロンドンの金庫へ本年3月から8月にかけて移送したとのこと。
因みに、フランスも米国内に保管していた140トンの金を売却して売買益を計上した。
ドイツは既に以前より公的金の保管場所を米国から自国内と英国に分散している。
イタリアは公的保有金の4割を自国内保管し、残りを英国とスイス、そして米国に分散保管している。
この欧州諸国の金塊レパトリ傾向には明らかに政治的意図が働いている。
トランプ政権下で米国と欧州の関係に歪みが生じ、この傾向が昂じれば米国内に預けた公的金の凍結や差し押さえの可能性さえ無視できない状況になっているということだ。
筆者は「金を通して世界を見る」ことを語ってきたが、まさにこれはその事例と言えよう。
さーて「灼熱の東京には20時間以内の滞在」と意を決して札幌から東京出張を「敢行」したが、「何だ、東京も涼しいじゃない」。
ちょっと拍子抜け。
とは言え、まだまだ異常気象が収まる気配は感じられず。やはり早々に東京を離れる。本稿は羽田空港のラウンジで執筆した。東京滞在19.5時間!
まぁ久しぶりに顔なじみの野良ネコちゃんに会えたことは良かったな(笑)。札幌で唯一、寂しく思うことが「猫離れ」。
