2026年8月20日

一昨日、本欄で日米財政赤字膨張を危惧、日米長期国債売り叩き、日米長期金利急上昇が悪い金利上昇となり、金が買われていることを詳述した。
この現象がドイツ、フランスなど欧州国債にも波及。結局、主要国は膨大な公的債務を抱えていることが改めて印象付けられた。特に「米連邦債務が初の40兆ドル突破、財政危機に警鐘」などと報じられ、中間選挙を控えたトランプ大統領にも重大な問題となった。
そこで助け舟を出したのがベッセント財務長官。日米外為協調介入に続く形で米国債券市場救済介入案を発表した。
米国超長期債の買い介入だ。債券が買われれば、利回りは低下する。米30年債利回りは即5.18%と発表前の水準より0.09%低下した。債券の世界で9ベーシスポイントという下げ幅は急落扱いである。
結局、金市場そして株式市場でも、財務省が長期債の買いを増やすということは量的緩和にも似た効果が期待されたのだ。
これで国際金市場の上昇基調が加速。4500ドル台を突破した。次の目標は200日移動平均線の4625ドル。
但し、米財務省は長期の借金を減らす代わりに短期の借金(財務省証券)は増やす結果になろう。サラ金で借り繋ぎ、何とか当面を凌ぐようなものだ。米国財政赤字の本丸(放漫財政)というファンダメンタルズは変わらない。為替介入同様に時間稼ぎにしかならない。
しかも、短期の買い入れに依存するということは、短期債の方が価格変動は激しいから市場は荒れる可能性が強まる。
それでも敢えて「奇策」に踏み切ったことは、元ヘッジファンドのベッセント氏ならではのリスク覚悟の苦渋の決断と言えよう。
なお、米財務省の国債買い入れは緩和的効果でインフレを助長するリスクもあり、ウォーシュFRB議長にとっては頭の痛い問題となる。
因みに、昨晩前回FOMCの議事録が発表され、「政策金利据え置き」に対する反対者が公表された3人の他にもいたことが判明。FOMC内の亀裂が益々露わになった。
それから、外為市場は素直にドル金利下落を映し、ドル安に振れた。
これも金には上げ要因。
総じて、金市場は都合の良い材料を重視して買われる傾向があるとは言え4500ドルを突破したという事実は重い。