豊島逸夫の手帖

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中国がアフリカ産ゴールドを囲い込み

2026年9月28日

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今や世界最大の産金地域はアフリカ。年間1059トン。2位の中南米645トンを大きく引き離す。
アフリカ産の金と言えば、従来からまず南ア。そして南アの大手金鉱山会社アングロ・アメリカン(アングロゴールド・アシャンティ)が進出したガーナが中心であった。

しかし、最近は中部アフリカ諸国が産金量を急増させている。マリ、ブルキナファソ、スーダンなどなど国の数は多い。
この件については2023年6月28日付けの本欄で言及した。

ワグネルの資金源はアフリカ産金か

この金の宝庫とも言えるアフリカに中国が強烈な「資源外交」を展開。アフリカに習近平主席が自ら足を運び、中国人労働者や技術者を送り込み、新たな金鉱山開発を援助している。そして産出される金を全て買い上げるという戦略が透ける。受け入れ側のアフリカ諸国も概ね歓迎の姿勢だ。

欧米資本もアフリカ産金インフラ開発を援助の姿勢なのだが、こちらは「環境問題への配慮」や「労働環境の改善」など、何かとコンプライアンスに縛られる。
対して中国は「うるさいことを言わずに我が国の産金インフラ構築を援助してくれる」という。

中国側の視点では、とにかく戦略的に金の保有を公的部門でも民間部門でも増やしたい。中国国内の潜在的金需要に比し、金供給が足りないのだ。「世界一の産金国」だが「世界一の金輸入国」でもある。

かくして、中国側とアフリカ側のニーズが一致。長期的にはアフリカ産金を中国が囲い込む構図が浮上する。
こうなるとロンドン市場経由の金サプライチェーンが分散して、直接産出国から金を輸入する傾向も強まろう。

なお、中国の金囲い込みと言えば、こういう発想もある。
中国政府としては民間の金保有を促進して、いざという時にはそれを供出させるという意図だ。全体主義国家の発想として自国国境内に金があれば、これは国家的備蓄の一環なのだ。
上海黄金交易所発足時にアドバイザーとして招聘された時、「国民の金保有を増やすために取引所は重要」としきりに強調していたことを思い出す。

更に、外貨準備以外にも産業用備蓄として金を保有する動きもあるようだ。
今後の展開に注目したい。

2026年