豊島逸夫の手帖

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米CPI上振れ、金急落後、急反発

2026年10月15日

4395.jpg昨晩は注目の9月CPI発表。
結果は前年同月比3.7%上昇と事前予測の3.6%を上回った。
俄かに今月FOMCでの利上げ確率が跳ね上がり、金価格は4100ドル割れの水準まで急落(KITCOグラフ緑線参照)。
しかし、その後反発して4100ドルを回復。
その背景には、この1回のCPI統計で今月利上げと決め込むのは早計との見解が働いた。
複数のFRB高官が最近利上げ慎重論を唱えていることも効いている。
それゆえ、政策金利に連動する米2年債利回りもCPI発表直後は垂直に急上昇したものの、直ぐに下落に転じた。
それを受け、金価格は上昇基調となり、CPI発表前の水準に戻したのだ。
結果論とは言え、相変わらず金の下値は堅いね。しぶとい。

本日は生産者物価指数(PPI)発表とウォーシュFRB議長の登壇、発言の機会があるので、材料視されている。
更に、NY市場の連中は金が打たれ強いことを認めつつ、「では現状の膠着状態を上抜けるシナリオは何か」模索している。

そこで、筆者がひとつ注目している新たな材料がある。AI関連、データセンター設備投資のため、巨額の資金調達が行われているが、その調達方法にかなり危うい手段が使われ始めたこと。昨晩は米新興クラウドサービス、コアウィーブ社の社債価格が急落して、NY株式市場のハイテク株売りを誘発した。マーケットには債務不安の不気味な感覚が漂う。AIブームの裏事情がマネーの質への逃避を招く可能性がある。
ここは今後も本欄で追求してゆくよ。

昨日本欄で紹介したポール・チューダー・ジョーンズの「AIバブルはドットコムバブルを想起させる」との警鐘もその流れなのだ。
金市場の視点で「中央銀行の買い」ばかりに執着しても「井の中の蛙」になりかねない。
マクロで経済を見通すことが必要とされる時期であろう。
「金は世界の政治経済を映す鏡」なのだよ。

2026年