2026年9月7日
本欄では2025年11月19日付けで、ロシア公的金準備2329トンが経済制裁で対外売却できなくなり、中国がその買い手となる可能性について論じた。
気になるロシア公的金準備2329トンの行方
それが現実になったのだ。「100トンほどのロシア保有金塊が今年1~7月の期間に香港市場へ移送された」とフィナンシャルタイムズ紙などの欧米メディアが報じている。
遡れば、2025年、2026年に100トンを大きく上回る金をロシアが輸出し、中国側が香港経由で輸入していたという。
ロンドン市場での金売却を経済制裁で禁じられたロシアの苦渋の選択と言えよう。
かねてから、香港市場も中央銀行の保有金分散保管先のひとつとして、香港の金保管施設への誘致に動いていた矢先のことゆえ「渡りに舟」と言える。
但し、香港側のロシア産金輸入に携わる銀行やリファイナリーにはリスクもある。
ロシアへの経済制裁を迂回するサービスを提供したとなれば、経済制裁違反行為に関与したと批判、更には懲罰措置の対象となりかねないからだ。正規の金関連サービスにも支障が出る可能性もある。
この件は今後も波乱含みだね。
さて、金価格の方は雇用統計で一時100ドル以上の急落(KITCOグラフ赤線参照)。
非農業部門新規雇用者数が、事前予測を大きく上回り16万2000人。このサプライズでインフレ経済過熱リスクが高まるとされ、9月利上げ確率が6割ほどに上昇。
とは言え、今週はもうひとつの重要指標であるCPI(米消費者物価指数)が発表されるので、雇用と物価の重要データを消化して9月16日のFOMCを迎えることになる。CPI次第で利上げ確率も変わるので、筆者はざっくり五分五分と見ている。
あとはウォーシュ議長の最終判断を待つのみ。
そこで注目はトランプ親分の意向だね。
雇用統計が好調だったので、早速「素晴らしい数字だ!アメリカは以前よりはるかに信用力が高まっている。金利は下がって当然。高い金利はアメリカを極めて不公平な不利な立場に追い込む。」と吠えた。
この発言は元不動産屋さんの発想。「私の企業は経済的に健全だから融資も低利であって然るべき」との考え。
図らずもマクロ経済理論には疎いことが露見された。とは言えトランプ親分は当に若頭のウォーシュ議長に政治的圧力をかけたわけで、さてウォーシュ議長の最終判断は利上げか、据え置きか。予期されたこととは言え、難しい判断を迫られているね~。
なお、ベッセント財務長官には悪い知らせがあった。世界最大規模のノルウェー政府系ファンドが米国債保有額を約12兆円も減額を決定。
またもや米国債売却の事例。それも世界最大の政府系ファンド。因みに日本国債保有は2.7兆円増やすとのこと。この際「国債保有総額を減らし、金でも買えば良いのに」と筆者は思うよ。
日本のクジラと呼ばれるGPIFとか、ノルウェーあたりが金購入に動けば、これは強力な材料になるね。筆者は決して非現実的な話ではないと思っている。
中央銀行が金を大量購入する時代なのだから、政府系ファンドや大手生保も金買いに動いて当然であろう。
さーて、札幌は朝晩寒くなってきたよ。コスモスが全開。