豊島逸夫の手帖

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いよいよ9月FOMC、今回の勘所は

2024年918

NY時間9月17~18日の日程で開催中の9月FOMC。
今回のポイントはなぜ利下げするのか、そして利下げの幅は?

まず、FRBは「インフレ退治は順調に進んでおり、もはや経済を冷やして過熱を抑える「利上げ」はその目的をほぼ達した」との姿勢だ。利上げの結果、米国の政策金利は5.25~5.5%という高水準に達しているので、これを元に戻すのが利下げの目的。これまでのドル高金利の影響がタイムラグでこれからジワリ効いてくる可能性があるので、徐々に利下げを実行するというわけだ。リスクは利上げが効き過ぎて、このままでは米国経済が不況下するシナリオ。そこで利下げの目的も米国景況感悪化を避け、経済を下支えすることにある。特にいたずらに失業者が増えることを懸念している。

そこで、利下げはどの程度のスピードで実行してゆくのか。
まずは9月FOMCで0.25%か或いはジャンボ利下げとされる0.5%か。
金市場は既に0.5%幅の大胆な利下げを織り込んで2600ドルを突破した。それゆえ仮に0.25%幅の利下げだと失望売りが起こるかもしれない。

更に、年内9、11、12月のFOMC3回で計1.25%の利下げを敢行すると市場は読む。9月0.5%、11月0.25%、12月0.5%という内訳だ。果たしてFRBはそのような心積りなのか。それは今回発表されるFRB四半期経済レポートに含まれるドットチャート(19名の参加者の金利予測分布図)で明らかになる。
1.25%に届かねば金市場には売り要因になろう。対して1.25%を超えれば買い要因となる。

但し、中長期的には利上げトレンドが利下げトレンドに転じることが最も重要。NY金も基本的には上昇トレンドが続くと見る最大の理由だ。
とは言えドル金利が下がればドル安・円高になる可能性もあるので、円建て金価格上昇がこれまでのようなトントン拍子で進行することはもはや望めない。まぁこれまでが金市場にとって都合の良過ぎる展開であったとも言えよう。

但し、構造的な円安要因は変わらないので、いずれ円安トレンドに戻ると筆者は見ている。 

2024年