豊島逸夫の手帖

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中東緊迫でNY金(12月)2450ドル突破

2024年7月31日

イスラエルがレバノンの首都ベイルートで同国のシーア派勢力ヒズボラの司令官を狙った攻撃を仕掛けたと30日に伝わった。大きな爆発があったといい、中東情勢の緊張が高まるとの懸念が広がった。地政学的リスクの高まりを意識した買いが金、そして米国債の「安全資産兄弟」に流入した。

本日31日には日本時間昼間に日銀政策決定会合、同深夜にはFRBの政策決定会合(FOMC)と同日に日米政策決定会合が行われるという珍しい展開だ。先攻日銀、後攻めFRB。明日早朝にはマーケットの景色が変わっているかもね。
そのような状況で上記の中東情勢緊迫が勃発したわけだ。

それから話題は変わるが、金ETF残高が増えていることが注目されている。問題は誰が買っているのか。昨晩いろいろNYの連中に聞いてみたがコンセンサスはズバリ「超富裕層」。彼らの金購入理由はズバリ「米国財政危機」。お金持ちほど金利水準もさることながら、放漫財政政策でドル紙幣や国債の実質価値が暴落することを心配している。筆者も1970年代スイス銀行で貴金属業務についてから現在に至るまで、世界の富裕層がいかに金に愛着を持っているかを直接体験してきた。NYから電話してきて「今ブロードウェイでミュージカルを見ているけど、次の幕間に電話するからそれまでに金1トン買っておいて」だと。彼らが金を買うと長期保有するので、金価格の下値を切り上げる重要な要因となるのだ。

そして筆者が描く次のシナリオは世界の大手年金基金が金ETF購入に走ることだ。そもそも金ETFは世界最大の公的年金カルパース(カリフォルニア州職員共済年金基金)で9年間CEOを務めたバートン氏が音頭をとって商品開発された経緯がある。本来年金向けの金投資商品だったのだ。それがヘッジファンドが弄ぶ商品と化してしまったが、次は年金が本格的に金ETFを買う番となろう。
超富裕層、年金、いずれも金市場にとって質の高い金購入・保有者である。

さて、今日の写真は韓国料理。

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筆者は「ワールドゴールドカウンシル 日韓地域代表」としてソウル支局も管轄下にあったが、韓国料理が苦手で酒も飲めず(これは社交上大きなマイナス)えらく苦労した。何せソウルでイタリア料理ばかり食べていたからね~~(笑)。
それが最近札幌で韓国料理(但しスパイスなど使わず淡泊な料理に限る)にはまっている。辛さとキムチは未だに苦手だが。それ以外はおいしいではないか(笑)。とは言え食後は口直しに札幌名物「パフェ締め」となるけどね~~。

今朝ブログを書き終わってから中東発で更なる大事件が起こった。
ハマスのハニヤ最高指導者が訪問先イランで暗殺。
これは中東の火薬庫が一気に爆破された如き中東の地政学図を変えるような大事件だ。イスラエルの犯行と断定はできないが、その足跡は残る。
もはやどこが仲介しても和平は遠のいた。

金市場に関しては、中東地政学的リスクが陳腐化していたが、この件で一気にライブのホットな材料と化した。
金価格高騰に新たな要因が加わった。

 

2024年