2024年5月20日
本欄では一貫して2300ドル台の値固め期と書いてきたが、どうやらそれを終えて2400ドル台を試し始めた。
直接的理由は米利下げが年内2回程度は見込まれるとの観測。あくまで観測に過ぎず、今後利下げ無しに変わる可能性はある。全ては今後の雇用統計やCPIなどの重要経済指標次第。
加えて先週金曜日に中国政府が1兆人民元もの20年債と50年債を発行。不動産セクターと地方政府セクターの救済に乗り出した。これで国民の可処分所得がいくらかでも増えれば金も買われるであろうとの「憶測」。しかし中国経済は疲弊しきっており構造改革が進行することも見込めず。まぁNY先物投機家たちが買いの理由に使っている感じ。
そして為替は相変わらず155円。円建て金価格は上がるばかり。それでも金の買いが多いのは「沈みゆく円」からの脱出劇なのであろう。2~3年前まではFPたちが「外貨建ての投資商品は為替リスクがあるので気を付けましょう」と言っていたが、この円安の1年で「円建ての方がリスクがある」ことが露わになってきた。
私の友人が10年ほど前に金1キロバーを100本買って、今や高笑い。スタートアップ企業で大儲けした分を金で保有していた。なかなかに商才も資産運用も巧みな人物だ。
なお、銀とプラチナが中国経済好転見込みをテコに上がってきたが、NY先物業者が買い推奨の理由に使っている感。6月には暴落するのでは。市場が小さいから上がるのも速いが下がるのも速い。