豊島逸夫の手帖

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織り込み過ぎの金市場

2024年11月1日

昨晩のNY金は40ドルほど急落。それでも2700ドル台半ばの歴史的高値圏。

現状の金相場は米利下げ、中東地政学的リスク、公的部門の金購入など上げ材料をたっぷり織り込んでいる。更に来週に迫った米大統領選挙もトランプ勝利でバラマキ財政インフレを先取りして買われている。

ここまで前のめりに買われると気味悪くなり、利益確定売りに走るプロも多い。ふと見ればほぼ全員が強気で同じ方向を向いているのは不健全な現象だ。ドカ雪の表層雪崩が起きやすい。

一方、金買いに出遅れて安値を待っている投資家も多い。ゆえに下がっても長期的上昇トレンドは変わらない。

金上昇トレンドが明確に下げに転じる条件は「世界が平和になり地政学的リスクがなくなる」、かつ「中国人とインド人が突如金を嫌いになる」こと。個人的に世界平和を望むけど米大統領とプーチン大統領と習近平国家主席が本心で仲良く食事する風景をイメージできない。まぁ何というか、金というのは長く持って役立たないことが人類にとっては望ましいのだよ。

さて、昨晩は米インフレ指標の0.1ポイントの上振れが40ドルの金急落を招いたが本日は米雇用統計。来週は米大統領選挙。その直後に11月FOMCとまだまだ序の口である。

2024年