2024年2月5日
先週金曜日に発表された米国1月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比353,000人増と大幅に事前予想(180,000人)を上振れした。更に賃金も約2年ぶりの高さを記録している。
「利下げは時期尚早」とのFRBパウエル議長の主張を裏付ける如き数字だ。恐らくパウエル氏は1月FOMCの時点でこの雇用統計を知っていたのであろう。なお、1月の雇用統計は新たな季節調整が入るので荒れる傾向もある。
いずれにせよ今回の雇用統計は国際金価格にはネガティブで、スポットでは2040ドル前後で推移していたのが2020ドル台まで急落した。とは言え筆者はこのような強い売り材料でも下げはこの程度かという感覚で見ている。
同時進行的にNYの地銀の株価が急落して地銀不安が再燃した。更に中東では米軍がシリア・イラク領内のイラン系分子の施設を空爆した。フーシ派の紅海での船舶襲撃も止まず、再び中東リスクが地理的にエスカレートした感がある。
総じてやはり金価格は2000ドル台の値固めが続いていると言えよう。なお円相場は雇用統計後148円台とドル高円安に振れた。それから本日の読売新聞朝刊に金について寄稿している。