豊島逸夫の手帖

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心変わり、やっぱり3000ドルに

2024年12月17日

来年の金価格見通しの上値は2900ドルと書いたが気が変わったよ。やっぱり3000ドルにする(笑)。
まぁ100ドル程度の差は大したことないが、やっぱり3000ドルと言えば印象度は強いよね。

足元ではデジタルゴールドと言われるビットコインの暴騰の影でひっそり感を強める金市場だが、仮想通貨買いはモメンタムトレードの典型。勢いで上がっている。トランプ次期大統領のお墨付きはインパクトあるがボラティリティーが激し過ぎる。NY市場でもビットコイン積極派と慎重派の真っ二つに割れる。
通貨としての機能を比較すると、ネット環境さえあれば何時でも何処でも価値の交換手段として使えるビットコインに軍配が上がる。
しかし、通貨の価値保存機能としてみれば、ツタンカーメンの時代から独自の価値が認められてきた金が優る。数時間で数パーセントも価値が変動するビットコインを安全資産とは言い難い。

なお、どちらも共通しているのは中央銀行発行の通貨ではないこと。
中央銀行を信じられない人は金やデジタルゴールドに走るわけだ。やはり量的緩和政策導入は「ドルや円は刷れるが、金現物は刷れない」ことを投資家に印象付けた。
これからも金とビットコインは両立してゆくであろう。

2024年