2024年4月3日
昨晩大引けにかけ、遂に2300ドルを突破した。
今回は珍しく(笑)理由が明解である。
まず、イスラエルがシリア国内のイラン大使館を空爆したこと。それも治外法権の大使館が標的だ。そもそもイスラエルとパレスチナの戦いも背後には常にイランの存在があった。イスラエルとイランの直接対決に発展すると中東戦争にエスカレートする可能性がある。昨日はNY市場も地政学的リスクの拡大エスカレートと受け止めていた。
更に、昨日は米国株価が急落した。その結果オーソドックスに株から金へのマネーシフトが見られた。因みに仮想通貨にもマネーが流入した。
さて、問題はこれからどうなるか。
24年4月の時点で既に2300ドルということは、まだ次の高みを目指すことになろう。2400ドルというと大胆な数字だが、連戦連勝のファンド筋から見れば充分に可能な数字だ。
とは言え、さすがにここで利益確定売りの調整局面に入ることも考えられる。筆者は調整が入った方が、次の2400ドルの土台が堅固になると見ている。一直線で2300ドルから2400ドルではさすがに怖い。
調整の理由としては、本欄で繰り返し述べてきた「米利下げ後退論」が挙げられよう。これはこれでかなり強い下げ要因であり、これもこなして金相場は上昇中ということなのだ。
今後の新たな金価格上昇要因としては、膨張する米国財政赤字という財政政策要因。特に米大統領選挙の年ゆえ、大盤振る舞いになりがちだ。市場はその後始末を危惧する。
金融政策担当のパウエルFRB議長から米国債の司令塔であるイエレン財務長官の発言が注目される。
具体的には米国債格下げが顕在化しよう。