豊島逸夫の手帖

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24年相場入り、年頭所感

2024年1月4日

日本でとんでもない事が起こっている間、年明けのNY市場は1月2日にオープン。ウォールストリートジャーナル(経済紙)は能登半島地震とJAL機炎上の写真を大きく掲載して詳細に報じていた。
但し、NY市場の関心は24年相場予測だ。ここは十人十色。10人いれば10の異なった見解が語られる。要は視界不良ということだ。
とは言え、昨年末のFRB利下げ祭りに比し市場の景色が異なる。休暇中に頭を冷やしたのか24年に利下げ6回も織り込んでしまって「先走ったか」との反省機運が見られた。

実際に3日には12月FOMC議事要旨発表で重大な事実が露見した。
パウエル議長は12月FOMCで利下げについて論じられたと述べて、市場は俄かに利下げ祭りになった経緯がある。
それが蓋を開けてみれば、利下げは論じられていなかった。このままではちゃぶ台返しになるのは必至。
そこで議事録では利上げは終了して、利下げの方向性が行間に示唆されている。

さて、こうなると市場の利下げ予測もやり直さねばならない。
結論から言えば、今後発表される重要経済指標やFRB高官発言で利下げ動向を推し量ることになる。
取りあえず国際金価格は20ドルほど下げたが、基本的には2000ドル台の値固めの段階に入る。2000ドル台が固まれば、歴史的高値水準が一般化するということだ。そう簡単な話ではない。まだまだ紆余曲折ある。

このような長期上昇トレンドの中、歴史的高値圏で金を買う方法は純金積立しかない!
下値は中東・ウクライナの地政学的リスクと中央銀行が年間金生産の1/3を買い占めるという実態(背景にドル不信)、そして文化的金選好度の高い中国・インド・中東の金買いががっちり支えている。今年は更に「もしトラ」リスクと米国債格下げリスクが加わる。従ってレンジの下値は1950ドルと見ている。上値は2300ドル。但しこれは瞬間タッチ。コアレンジは1950~2150と見る。
なお、今年は円安と円高の綱引きとなりそうで、海外金高と円安のダブル効果で円建て金価格が急騰を続けるということはないであろう。そんなに都合の良い話は続かないよ。

最後に能登半島地震と日航機炎上については別途詳細に感想を記したいと思う。不幸にして亡くなった方々に合掌。

2024年