2024年12月23日
12月FOMCでパウエル議長が利下げは急がずと大見得を切った。参加者の2025年予想利下げ回数も4回から2回に減った。19日木曜日のことだった。
ところが20日金曜日に発表された最新インフレ率は低い伸びに留まり、この調子なら利下げ回数を増やしてもよいのではないかとのニュアンスの発言がFRB高官筋から相次いで出始めた。
金曜日に発表されたインフレ指標は、よりによってFRBパウエル議長自ら最も重要とする「PCEコア価格指数」。11月分は前月比0.1%上昇。前年同月比では2.8%上昇に留まったのだ。順調なインフレ抑制を想起させる数字と言える(言えなくもない)(笑)。
まず声をあげたのが来年FOMCで投票権を持つシカゴ連銀グールズビー総裁。「今後12~18月間の利下げ回数はfair bit moreかなり多くなろう」。
FOMC副議長役で常任投票権を持つNY連銀ウィリアムズ総裁も「現在の政策金利は中立金利よりかなり高く、まだ利下げの余地がある」。
僅かなニュアンスの差だが、市場はFOMC内の意見の相違を嗅ぎ取った。木曜日の市場の反応が大き過ぎたとの反省もあり、金曜日のNY金は「ひょっとして、2025年2回よりはもっと利下げしてくれるかも」との期待感で2600ドルから2630ドル程度まで反発した。
まぁクリスマスモードで流動性は少なく、値動きは荒くなる季節。話半分程度に聞いておく。FRB側の言い回しもクルクル変わる。英文解釈の問題みたいだ。