豊島逸夫の手帖

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日本政局迷走、極東有事に対応できるのか

2024年10月28日

与党惨敗で今後は案件ごとに少数政党との暫時連結や妥協が図られることになろう。子育てなどの問題は議論が立てやすいが問題は国防だ。極東有事に対応するのに、いちいち永田町が連立を求めて動くのでは遅きに失するは不可避。
恐らく中国・ロシア・北朝鮮は日本の政局混迷を「チャンス」と見ているだろう。彼らの高笑いが目に浮かぶ。

今後は日本人として我が身は自分で守らねばならない。
そのような流れの中で安全資産としての金保有が更に浮上することも十分考えられる。
たまたま円建て金価格が為替要因で高値更新しているが、今後は為替やNY金に関係なく、日本人が自らの判断で金を「守りの資産」として保有する傾向が強まろう。

なお、総選挙後の海外勢の日本株と円を見る目を以下に書き記した。

「海外勢は、ジャパン・パッシング、上値模索も」

これからの日本の政局は誰も(日本人でさえ)読めない。日本株にも円にも当面は手を出すな。静観せよ。

これが多くの海外勢の初期反応だが、例外は短期投機筋だ。
政情が混迷の度を深めれば、彼らにとっては「草刈り場」となる。
まずは「噂で買ってニュースで売れ」。

事前予測で与党苦戦の報道は流れており、その時点で「日本売り」に走った投機筋も少なくない。CTA(コモディティートレーディングアドバイザー)などが最たる例だ。この人たちは超短期運用ゆえ、取りあえず日本株売り、円売りのポジションを買い戻す。

対してグローバルマクロ系とされる中期運用の機関投資家は、まずは現状をじっくり吟味した上で、一部では「日本外し」の姿勢が顕在化しそうだ。

長期運用の海外年金基金などは、日本が基本的に多民族国家ではないため、劇的な変化は起こりにくいとの判断で、徐々に「日本買い」に動く兆しも考えらえる。これは日本のNISA投資家が参考にすべき事例であろう。

総じて円は160円も視野に入るが、状況が落ち着けば冷静に140円台を志向するとのオーソドックスな見解が注目される。

日本株は8月の令和ブラックマンデーの影響で、今や「仕手株並み」のレッテルを貼られており、当面ボラティリティー(価格変動)が激しい状況が続くであろう。海外勢の期待感も限定的で、年末に現状維持の価格水準を維持できれば上出来ということになりそうだ。

2024年