2024年9月25日
あれよ、あれよの展開となった。
まず、NY金(中心限月12月)が2694ドルまで急騰する場面があった。そしてスポット(現物ロコロンドン)も2660ドル台である。
理由は中国人民銀行が実質的な利下げと資金供給増に踏み切ったこと。これは金を含むコモディティー全般に上げ材料になる。
冷静に見れば、この程度の金融緩和で中国不動産危機や地方政府の財政危機が解消されるとは思えず、中国経済悪化に歯止めがかからない。しかしマーケットは都合よく解釈して、買い材料に仕立てあげた。金に関しては個人の金製品購入増が期待される。
次に、米国の景況感指数が事前予測を下回り悪化したこと。これは救済的利下げ幅が0.5%になる可能性を示唆する。金には追い風だ。
そして、これは中期的材料だが、格付け機関ムーディーズが米国債格下げを警告したこと。大統領選でどちらの候補が勝っても巨額の米財政赤字は減らないとの予測だ。過去にも米国債格下げが金価格急騰を誘発した事例もあり、2025年にかけて要注意の材料となろう。
以下は2011年に米国債格下げで金急騰の事例だ。
金の国内小売価格、31年ぶり高値 米国債格下げで(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDJ08006_Y1A800C1MM0000/
かくして中東情勢悪化、中国の景気刺激策導入、米国債格下げの可能性と筆者も予測しなかったスピードで次から次へ旬の買いテーマが浮上してきた。2700ドルは予測どおりだが、9月の時点でこうなるとは驚きである。
さて、次の予測をどうしたものか(笑)少々考える時間をいただきたい~。