豊島逸夫の手帖

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石破氏、衝撃発言で鮮烈なNY市場デビュー

2024年10月3日

今日は何と言っても急速な円安進行が市場の大きな話題。

2日のNY外為市場は他通貨が大きく動かず、円独歩安だけが目立つ展開となった。その理由が石破首相の利上げ慎重発言と分かるや、殆どの外為トレーダーの初期反応は「イシバ、フー?」(石破って誰?)。彼らの多くが円買いポジションを膨らませていたので、取りあえず円売戻しに走る結果になった。結果的にはNY時間中一貫して円安・ドル高が続くことになり、慌てて日本の政治情勢についての情報収集が始まっている。別件でNY出張を予定している筆者のスケジュールにも急遽「イシバノミクス」についての勉強会が新たに組み込まれた。

そもそも市場環境としてはパウエルFRB議長が「利下げは急がず。年内2回」と発言しているので、円買いポジションを持つ人たちの心理は揺れていた。そこに石破発言が飛び込んだので、ますます心穏やかではないのであろう。

更に中央銀行の独立性が米国でも危惧されている状況で、日本では米国以上に政府と日銀の関係が深く、実質的政治介入とも言える発言が堂々と行われていることに不安感を強めている。トランプ氏の露骨な政治介入発言に神経質になっているだけに日本での同様の事例が他人事とは思えないのだ。

NY市場の円担当トレーダーたちは植田日銀総裁に加え、石破首相ならびに関連官庁の大臣発言をフォローすることになりそうだ。

2024年