豊島逸夫の手帖

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有事の金、投機筋の「噂で買ってニュースで売る」に注意

2024年4月19日

「有事の金」の本来の意味は「平時」に金を買って、将来の「有事」に備えるということだ。その上でいざ本当に有事が勃発した場合は金を売って凌ぐことができる。「有事」になってから金を買っても「高値掴み」のリスクが常について回る。特に投機筋は例えばイスラエル報復の可能性という「噂」の段階で金を買い、実際に報復というニュースが流れると「利益確定の売り」に走る。これを「噂で買って、ニュースで売る」と言う。筆者がスイス銀行チューリッヒのトレーディングルームで最初に叩き込まれたことであった。

それゆえ、個人投資家がイスラエル報復のニュースで「有事の金」を買うことは梯子を外されるリスクがあるので要注意だ。

本日の金の値動きを見ても、イスラエル報復の第一報でNY金(中心限月6月)は時間外で2390ドル台から一気に2420ドル台まで急騰したが、その後報道が確認されると日本時間12時台には2400ドル台まで急落している。NY時間帯に入れば投機筋の空中戦となろう。

一般個人投資家はNISAのように平時からコツコツ積み立ててゆくことが「金投資の王道」なのだ。

2024年