豊島逸夫の手帖

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金2080ドル

2023年12月28日

波乱の2024年を映すかのように2023年年末に国際金価格は続騰。2080ドルの水準に達した。
特に大きな材料はなく、来年に備え、今のうちに金を仕込んでおくという感じだ。

米10年債利回りは3.8%台という低水準での攻防。ドルインデックスは100の大台の攻防。ドル金利安、ドル安。但し円はドルインデックスが示唆するほどには円高に振れていない。

ウクライナ、パレスチナの地政学的リスクが金価格を下支えして、その上に米金融政策利下げへの転換とドル不信による中銀(中国など)の金買いが推進力になっている構図だ。2024年は米財政不安、米国債格下げ、そしてトランプリスクと新たな市場の嵐が待ち受ける。そもそもドル金利が下がるということは景況感が悪化しているとも解釈できる。

NY市場では今週急に金への注目度が高まり、連日「来年は金」という報道が流れる。
但し、筆者は強気なるも、ここまで市場が先走りして、例えば利下げ7回説まで語られると「ちょっとやり過ぎではないか」と感じる。
FT紙もFRBの動きはショックではないが、市場の過激な反応の方がショックだと書いていた。

まぁほどほどの金価格上昇がじっくり続くことが理想なのだが、人間の欲は前のめりになるね。

2024年