豊島逸夫の手帖

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ハイテクの女王、5ドルで買ったエヌビディア株を売却

2024年2月28日

ウォール街ではエヌビディア株に関する様々なエピソード流れる。

その中でも特に印象深いのは「ハイテク株の女王」の異名を持つキャシー・ウッド氏が、昨年から今月に至るまでの期間に保有エヌビディア株を一貫して売り続けていることだ。同社株の「調整」は近いと語る。

そもそも同氏は2014年にエヌビディアの成長性を見抜き、約5ドルで購入していたという(現在は787ドル!)。

同氏は一般論として「保有株が短期間に20、30、50、100、200%も急騰したら利益確定売り」と語っているので、予定の行動ということか。

因みに次の有望なAI銘柄としてUiPath(ユーアイパス)とTwilio(トゥイリオ)を挙げている。

振り返れば同氏が率いる旗艦ETF「アーク・イノベーション」は2021〜2022年に米利上げという逆風の中で年率50%下落した。しかし2023年にはプラス68%という業界有数の好成績で復活をした経緯がある。同氏は「試練を体験した」と述懐する。

実に逞しい女性で、そこは筆者も好感を持つね。

理屈も語るけど、それを実行するので頭でっかちではない。

年率マイナス50%の年にテレビに出演した時、たまたま見ていたけどMCの意地悪な質問に対して冷静に対応していた。

まぁ彼女のファンドに投資する気はないけど(笑)。

因みに投資の神様バフェットさんも会員へのレターで今の米国株式は「カジノ」と断じて、買いたい株が見当たらないと嘆いているほど。

米国の場合、magnificent7(アップル、テスラやエヌビディアなど壮大な7社)に投資マネーが集中しており、他の銘柄はそれほど上がっていない。日本も日経平均という株価指数は大型株の割合が大きいので、実は下がっている銘柄も多い。だから一般人には実感が沸かない。

とは言え、新NISAが導入され、自分の老後は自分で面倒みなければならない時代だ。

日本では「私は投資には疎くて」とやや自慢げに語る人も少なくない。その背景には「おカネのことを考えるのは卑しいことだ」という日本人のDNAがある。でもそれでは通じないよ。

2024年