豊島逸夫の手帖

Page3863

潮目の変化

2024年2月15日

金価格が2000ドルを割り込んだ理由として、ひとつ気になることは2月に入って米経済統計の好転が相次いでいることだ。
雇用統計の新規就業者数が30万人を超えた。ISM製造業景況感指数も非製造業も良い数字が並ぶ。そして10-12月GDPが年率3%超え。CPIも上振れした。

こうなると早期利下げ論は後退する。逆に利上げ論すら噴出しかねない。
既にドル金利は上昇傾向が顕著だ。
その結果ドル高に振れ、円は150円となった。そして金には逆風となり2000ドルを割り込んだ。
パウエル議長としては「だから言ったじゃない、利下げは慎重に忍耐強く進めると」。

但し、後連れして利下げ開始が6月になっても、とにかく24年は利下げの年だ。
それゆえ利下げを理由に上がってきた金価格のトレンドは基本的に変わらない。

2024年