2024年12月12日
この24時間グラフ。実に綺麗な上げだ。
青色、赤色、緑色。24時間ごとに着実に相場水準を切り上げている。2600ドル値固めに一定の目途がついたところで、中東(シリア)情勢悪化と中国人民銀行金購入再開という分かりやすいふたつの材料が飛び出した。前回の2700ドル台は単に市場のモメンタム(勢い)に乗った急騰であったが、今回は市場の腰の強さが確認された上での急騰だ。同じ急騰でも全く異なる。
その中で昨晩はCPIが発表された。ほぼ予測範囲内でありサプライズはなかった。住居費に下落傾向が見られるなど好感できる内容もあり、来週のFOMCに向けて0.25%利下げ説がほぼ織り込まれた。これは金には追い風。
但し、2025年となるとトランプ関税による米国内物価上昇という難敵が待ち構えている。トランプ政策の尻ぬぐいをパウエルFRBがしなければならない。関税→CPI上昇というシナリオに要注意だ。そうなると2025年の米利下げは1~2回程度まで鈍化が見込まれる。最悪「利上げ」に逆戻りも絵空事ではない。
なお、専門的に言えば中立金利が上昇しているので、利下げ幅が限定されることも重要だ。
一方、金市場は既に3~4回の利下げを織り込んでいるので、ここは失望売りが出ても不思議はない。筆者が2025年3000ドルに届かずと見る所以だ。
とは言え、2700ドルでも2800ドルでも2900ドルでも、歴史的に見ればとんでもない超高値圏だ。2025年も引き続き強気相場は続く。