豊島逸夫の手帖

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今の金相場のおさらい

2024年1月29日

日々の値動きは意味がないので更新が空いているが、中期的な状況をまとめておきたい。

基本的には、中東などの地政学的リスクと長期保有の世界の中央銀行が年間金生産量の1/3近くを買い占める状況が2000ドルという歴史的高値圏を支えている。その上で米国金融政策の引き締めから緩和という歴史的転換が日々の国際金価格のボラティリティーを激しくしている。すなわち経済指標やFRB高官発言で年内の利下げが前半か後半にずれ込むか、更に利下げ回数が3回から7回の間でどのあたりに落ち着くか。この部分は日々変わる。今日現在では利下げ早期開始論が後退しているが、今週1月30、31日に開催されるFOMCに市場は手掛かりを求めている。金に直接影響を与える変数はドル相場とドル金利である。

更に、ワイルドカードだがトランプ再登場がほぼ必至。「もしトラ」が「ほぼトラ」になったので、2024年は米政治リスクへのヘッジとして金が買われよう。
地政学的リスクと中央銀行爆買いの上に米金融政策を巡る思惑と「ほぼトラ」リスクが乗っかっているイメージだ。

価格レンジは引き続き1950~2150ドルがコアレンジ。トランプ氏次第で瞬間タッチ2300ドルもあり得る。
円建て金価格は円相場が140円台という円安水準にとどまるので上げ圧力は変わらない。

読者諸兄においては、日々の乱高下に一喜一憂することなく、この金相場の基本的構図を頭の中に叩き込んでおいて欲しい。

2024年