2024年3月11日
先週8日金曜日に発表された2月雇用統計は27万5000人。これだけ見ると良かったように見えるが、過去2か月分が16万7000人下方修正された。やはり1月の雇用統計上振れは特殊要因のノイズ。一過性であったのだ。
前回本欄で雇用統計が悪ければ2200ドルと書いたが、NY金(アクティブマンスの4月もの)は2202ドルまで急騰を演じた。
筆者のNY金先物市場の仲間たちはホクホクである。
彼らは市場のプロの間ではモメンタムプレーヤーという単語で表現される。理屈などお構いなしに市場の勢いに乗って、貪欲に値動きの良いセクターに集中「投機」攻撃をかける。だから「謎の金高」現象が起きた。日経平均急騰もモメンタムプレーヤー主導であった。
更に、明日12日には米消費者物価指数(CPI)発表が控える。この第二部が終わったところで3月FOMCまでは調整期間に入る可能性が強い。3月FOMCの注目点はドットチャート。これでまた大きく動くだろう。
歴史的高値圏でモメンタムプレーヤーが暴れ、ボラティリティーはビットコインもビックリの激しさになろう。
それにしても2024年3月の時点で2200ドルとはね。
なお、実需は世界的に買いが枯渇している。閑古鳥が鳴いている。さすがにこのスピードで2200ドルの展開では模様眺めに徹している。既にかなり現物を買ってきたしね。中央銀行の買いも金の重量ベースでは減りつつある。外貨準備はドル建てで表示されるから、同じドル金額で買える金の重要は減るわけだ。
現物の売戻は増えそう。先物の売りポジションも膨らんできたことだし。
それゆえ前回にも書いたが1回は大きな調整が来るよ。そこが買い時と見る投資家も世界的に多いけどね。
なお、長期的トレンドは2300ドルを目指すことも変わりはない。
純金積立会員にはここが重要なところ。一喜一憂する必要がない。どっしり構えてみる余裕がある。
但し、ドル円の変動が140円台後半で激しくなり、円高がドル建て金価格の上昇を相殺する局面は増えよう。都合の良い話ばかりではないよ。
ブログを書いているうちに日経平均が800円暴落した。
日本株を見切って、金に乗り換えたね。
なお、NY市場では金が大きな話題に。経済テレビ番組でも異例の15分間も金について激論を交わしていた。本気度がうかがえる光景だ。