豊島逸夫の手帖

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CPIショック、金スポット2000ドル割れ

2024年2月14日

注目の1月米国消費者物価指数(CPI)が昨晩発表された。結果はインフレ再燃を想起させる「物価反騰」となった。内容は前年同期比の年率換算で事前予測2.9%のところ3.1%。更にFRBが重視するコアCPI(変動が激しい原油と食料品を除いた数字)は事前予測3.7%に比し3.9%。僅か0.2%の差と思うかもしれないが、これまで順調にインフレ率が下がってきたのでサプライズ感が強い。何が上がったとかと言えば家賃など住宅関連の上昇が目立つ。
その結果、FRBが「最悪のケースで利上げに転換」とか「利下げが大幅に後ずれ」観測がNY市場に流れた。

ドル金利も昨年12月以来の水準に上昇した。
こうなると金には強い逆風が吹く。スポットで26ドル急落して1992ドルを付けた。
但し、ドル金利上昇でドル高円安も進行。ドル円は150.70円まで円安が進行している。従って円建て金価格の下げはかなり相殺されている。

今後の見通しだが、年内の利下げは確実で、利下げ時期と回数が問題になっているので慌てることはない。3か月ほど利下げ開始時期が後連れして5月か6月観測が主流となっている。それまでは米国の政策金利が5.25~5.5%の高い水準に留め置かれるので、金の上値が重くなるかもしれない。但し中央銀行の金大量購入や地政学的リスクは変わらないので、金相場が崩れることはない。金の長期上昇トレンドは変わらない。

なお、米国で「債券王」と呼ばれるカリスマ投資家のガンドラック氏が昨日マイアミのコンファレンスで講演。「日本株と金にそれぞれ10%ずつ投資せよ。」と語った。
金と日本株が2024年の世界的トレンドになったね。

2024年