2024年3月28日
金価格が歴史的高値圏で下がらない。まともな調整局面もない。
しかも米国株価指数も史上最高値を更新中だ。
過剰流動性相場と言えようか。
コロナ有事対応でFRBは約5兆ドルを投入した。その多くはコロナで自宅待機中の人たちの貯蓄となり、コロナ警報解除後にリベンジ消費として使われたはずであった。
しかし、まだそのコロナ貯蓄は残っていたようだ。その過剰流動性の一部が金市場、そして株式市場に流入している。
この種の相場は想定外に長続きするものだ。
それから、以下は他の市場の話題。
米国CNBCが発表するデリバリングアルファサーベイによれば、投資したい国として日本が断然トップの40%になった。「これほどの人気度を示す数字は見たこともない」とウォール街でも話題になるほどだ。
因みに2位が欧州株で26%、3位が中国と南米でそれぞれ4%。外国株に興味なしが26%であった。
日本関連では34年ぶりの円安が現地メディアでも報道された。ミスター神田(財務官)の名前も目立つ。「断固足る措置」がdecisiveと訳され、この表現が使われる時は介入の前触れと紹介されていた。米通貨投機筋もさすがに模様眺めに徹していた。
NY時間でドル円相場は小動き。
NY時間外では日本時間朝に注目のウォラーFRB理事が発言した。FOMC参加者の中でも主導格でトランプ氏との関係も良好ゆえ、次期FRB議長候補の一人として名前が挙がっている。これまでもFOMC参加者として初めて「利下げ」に言及したかと思えば、「利下げは急がず」と論調を変え、そのたびに市場が振り回されてきた経緯がある。今回は「利下げ急ぐことはない(no rush)」、「遅らせるか回数減少も」と踏み込んだ内容であった。
NY市場ではドル金利高止まり観測が強まり、ドル売り為替介入を匂わせる日本金融当局には不都合な発言と言えよう。
なお、29日には米消費者支出(PCE)物価指数が発表される。パウエル議長が重視すると語ってきた重要経済統計ゆえ、注目度も高い。
とは言え、イースター3連休を控えるので、市場参加者も新たなポジションは取り難い。4月1日月曜日には最初にオープンする東京市場時間帯が注目される展開となっている。