豊島逸夫の手帖

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日経平均と国内金価格、同時最高値の意味

2024年7月5日

一般的に株が上がれば金が下がる「逆相関関係」があると説かれる。
それが今年は株も金も歴史的上昇を演じる展開となっている。筆者も本欄で日本株も金も強気のスタンスを維持してきた。日本株は外国人投資家の再評価買いが粛々と続き、金は中央銀行や中国などの安定的購入が見込まれるからだ。このような市場環境ではリスク分散の視点で株と金の両方に買いを入れることが理に適っている。

但し、筆者は「資産運用では株が主役で金は脇役と心得よ。そもそも投資とはカネに働いてもらって、配当なり利息なり稼いでもらうことが本筋。金は保有しても何も生まないが、独自の希少価値により、株価の変動リスクを分散させるヘッジ機能がある。ヘッジもせず、ひたすら株投資に走るのでは、投資ではなく株投機になってしまう。金買いだけに走っても投機だ。」と説いてきた。

そこで必ず出る素朴な疑問が金は資産の何割持てばよいのか。
筆者が外為・金トレーダーとして働いたスイス銀行では10%が基準と推奨された。但しここが重要だが投資家の範疇により10%を超えることも推奨される。相続に関心がある富裕層或いは普通の個人投資家でも所謂「おひとりさま」を生涯貫く可能性が強い場合は、長期資産価値維持が重要となるので20%或いは極端な場合は30%も容認される。金価格が長期に亘り下落するシナリオがあるとすれば中国人やインド人が金を嫌いになるとか、世界の地政学的リスクが解消されるとか、トランプ再選で米国が劇的に平和で安定した大国になるとか、極めて非現実的な話になる。

なお、足元では今晩雇用統計発表。毎月のように雇用統計とCPIに市場は振り回されるが、中期的に3か月平均の経済統計数値を見ることが重要だ。これまでのところ所謂「米国経済軟着陸」が確実視できるような具体的方向性は確認できず、今年9月になっても確認できないであろう。しつこいようだが一喜一憂は避けねばならない。本日はバイデン大統領のABC生出演の方が気になる。

さて、今日の写真は感動的。サッポロサテライトオフィスから見て小樽半島に日が沈む。時刻は午後7時。朝4時には明るくなる時期ゆえ昼間が長い。朝からゴルフ18ホールやって、9時から仕事という「離れ業」も十分可能。
3929①.jpgそして美味しいもの関連では濃いゴマソースがトッピングのゴマソフトアイス。スイーツでは今私の突出「推し」だね~。植物園近くなのだけど筆者が座っているベンチが何と交差点の真ん中にある。つまり二つの通りがここではブロックされて車は通過できない。不思議なスポットだ。
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2024年