豊島逸夫の手帖

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NY金、2500ドル台で値固め

2024年11月15日

3986.gifNY金の調整局面は筆者が考えていたより長引きそう。具体的にはトランプ氏大統領就任の25年1月頃まで。

昨日の日経商品面記事で高値圏でも現物を買う人が増えていると報じられたが、NY市場でも高値圏で買う(或いは買った)人たちが多い。日本との違いは先物買いが多いこと。買って、1か月くらいで売るような投機的買いが主体だ。この人たちが高値掴みして、慌てて見切り売りに走っている。この人たちの売買形態は所詮ゼロサムゲームで、単に金価格のボラティリティーを高めることになる。長期的上昇トレンドには関係ない部類の人たちだ。だから無視してよろしい。

それから金ETF残高もしきりに記事で引用されるが、ここでも実態は短期的売買に金ETFが使われている。それゆえ短期的残高の変化を気にする必要はない。重要なのは年金・富裕層など、長期的な金保有手段として金ETFを選択している人たちだ。金ETFが本来念頭に置いていた長期投資家たちだ。この部分は目立たないが確実に増えている。筆者は金ETF上場に直接関与したから、NYからの関連情報がいろいろ入ってくるので実態が把握できるのだ。

長い金上昇トレンドの中で、2か月くらい一服期間があった方が筆者はホッとしている。

なお、現在の金下げの背景は米インフレがしつこく(特にサービス産業)、利下げペースが想定より緩やかで、その結果ドル金利が4%半ばまで上昇してドルが買われ、ドルインデックスが107に接近していることにある。昨日もパウエル講演があり、その事実が確認された。

2024年