豊島逸夫の手帖

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FOMC前後、国際金価格、乱高下

2024年9月19日

今日の原稿は昨日の原稿と合わせて読んでいただきたい。

3962.jpgKITCOグラフ(緑線)は、昨晩のFOMC声明文発表でスポット金価格が2600ドル近傍まで急騰後、2540ドルまで急反落したことを示している(KITCOグラフの金価格はNY先物価格ではない)。

まず、0.5%という「ジャンボ利下げ幅」は金利を生まない金には追い風になった。
とは言え、昨日も書いたように0.5%利下げを織り込んだ上での値動きゆえ、目標達成感で一旦利益確定売りも噴出したのだ。
更に、利下げの理由もこれまでの利上げで締め過ぎ、失業増など経済成長鈍化、最悪不況になる可能性もあるので、予防的な利下げで景況感悪化を回避するというものだ。経済減速がちらつくと「不況に強い金」の出番となる。

その上で金市場は次の材料を求める。
それは11、12月FOMCの利下げ幅が0.25%か0.5%かということだ。どちらになるか。それは今後の雇用統計次第ということになろう。雇用統計が悪化すれば、やはり利下げによる景況感下支えが必要となり0.5%となろう。逆に雇用統計が改善すれば、利下げによる経済下支えの重要性は薄れ、0.25%程度に利下げ幅を抑えることになろう。
総じて金の長期上昇トレンドをFRB金融政策が主導している構図である。

それから円相場だが143円台まで円安に振れる展開になっている。これは投機的に円を買っていた人たちが一斉に手仕舞いに動いたため。0.5%大幅利下げはドル安・円高要因だが「材料出尽くし感」が強まり、取りあえず円買いポジションは整理する動きが目立った。やはり長期的な円安の流れは根強い。

2024年