豊島逸夫の手帖

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AIが存在感を強める国際金売買

2024年7月9日

金の現物はロンドン建値(fixing)、NY市場は商品先物取引所のフロアで場立ちたちが直接売買する。これが昔の金市場であった。それが今やAIを駆使して売買プログラムが売買を指示する、それも高速度取引(1/100秒単位)が支配的。金市場最前線の景色も激変した。ゴールドトレーダーとは名ばかりでシステムエンジニアとしてコンピューターを守ることと価格変動の解説役という役割に変わりつつある。おそらく数年後には人間様は業者間取引に関して不必要になりそう。

この数日の値動きにしても、雇用統計後30ドル以上急騰して2400ドルに接近と思いきや、昨日は30ドル以上急落して振り出しに戻った。一喜一憂するのが如何に虚しいことは分かったと思う。
利下げの回数とか時期とかまだまだ決まらず。まだこの状況は続く。

その間トランプリスクの方が徐々に顕在化して、金融政策より財政政策が変動要因になってゆく。利下げは何れ実行されるがトランプ財政政策は未だ詳細が見えてこない。

トランプ氏はインフレと経済成長のふたつを公約に掲げるであろうが両方満たすことなど無理筋だ。インフレ退治を重視すればドル高金利維持でドル高・円安は続く。対して景気を重視すれば財政出動に拍車がかかり、財政不安→米国債格下げ→ドル安・円高となろう。財政不安になれば米国債は売られドル金利は急騰するだろうが、投資家は格下げされた米国債を買わない。思い起こせばギリシャ危機の時、ギリシャ国債の利回りは30%!を超えたが、それでも買われなかった。その代わりに買われたのが金利も生まないのに金であった。要は良い金利上昇なのか、悪い金利上昇なのかを見極めることだ。

さて、札幌郊外の農園食堂「アグリスケープ」。供されるのは自社の農園で採れた野菜・肉ばかり(鳥や豚まで飼っている)。
画像は超新鮮野菜の組み合わせ。ドレッシングなど邪魔。

3931a.jpg

3931b.jpgそして葱坊主のフリット。夏野菜、コンソメのジュレ。
3931c.jpgポークのローストと夏野菜。
3931d.jpg昨年、一昨年とこのブログで紹介したらブログ読者が既に時々東京から来るそうな。

2024年