2024年11月25日
中国の国営新華社通信などが「湖南省地質院が同省平江県で金埋蔵量1000トン以上、40本以上の金鉱脈を発見した」と報じて話題になっている。
中国の金鉱山を現地で見学したこともある筆者は、話1/10程度に受け止めている。
まず、地下2000メートルの深い地層とのことだが、中国の金鉱山は地下数百メートル規模が多く、深層採掘技術のレベルが低い。金のマイニングエンジニアリングの水準となると、地下3000メートルまで採掘していた南アに専門技術者が偏在する。中国がその人材をリクルートしたことは考えられるが筆者は懐疑的だ。
更に金鉱石の金含有率が最も高いと138グラムに達するという。これはほんの一部の鉱脈の話であろう。今や世界では金鉱石1トンから純金1グラムを抽出できれば御の字だ。
とは言え、中国は長期国家戦略として米ドル保有を減らし、金を外貨準備として買い増している。
更に、腐食せず展性が良いことから、スマホなどには欠かせない部品に使われるので、希少資源として備蓄も行っている。
それゆえ新規金鉱脈探索に傾注していることは事実だ。これまでは金鉱山が山東省や内モンゴル地区に多かったが、今後は可能性のある他地域に広がる見込みが高い。
既に中国は世界最大の金生産国でもあり、世界最大の金需要国でもある。今後も国内の金鉱脈開発にはドライブがかかるであろう。
なお、11月23日のテレビ朝日「グッド!モーニング」で解説した。