豊島逸夫の手帖

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イラン、イスラエルにミサイル攻撃の衝撃

2024年10月2日

昨晩のNY時間中にイランがイスラエルに180発とされるミサイル攻撃を実行したとのニュースが飛び込んだ。

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有事の金買いで確かに30ドルほどNY金は上がったが、24時間KITCOグラフで見られるように乱高下を繰り返し、金の上昇幅は限定的だ。
これはイラク戦争開戦時にも見られた現象で「噂で買って、ニュースで売る」という投機筋の常套手段が今回も見られたということだ。

イラン・イスラエル戦闘状態というシナリオは既に中東リスクとして意識されてきた。NYのトレーダーも中東情勢エスカレートを予想して、既に先物買いポジションを増やしていた。そして予想どおりの成り行きとなるや一転利益確定の売りに転じたのだ。地政学的リスクは日々状況が変化するので、トレーダーも短期決戦で臨むことになる。
イラク戦争開戦時には「有事の金買い」報道に煽られ、開戦後金を買いまくった個人投資家たちが結局高値掴みをする結果となった。
筆者も常々「有事の金は売り」、「有事の金の爆買いは悪魔の選択」と書いてきたので、覚えている読者も多かろう。
今後、今回の中東情勢がどのようにエスカレートするのか、或いは食い止められるのか、現状では世界の誰も分からないことだ。

筆者の最大の注目点は、中東から日本への原油供給の最大のネックであるホルムズ海峡に影響が及ぶか。この狭い海峡が封鎖されれば中東産原油に80%依存する日本の経済はたちまち立ち行かなくなるは必至。筆者は飛行機でホルムズ海峡を視察したことがあるが「狭い!」、機内で背筋がヒンヤリする体験航空であった。

なお、中東情勢緊迫は原油高を通じて米国のインフレ再燃要因となり、パウエル議長にとっては頭の痛い問題だ。しかも米国東海岸では大規模な港湾ストライキが拡大の様相で、サプライチェーンに与える影響が懸念されている。それやこれやで11月FOMCではインフレ再燃懸念により、利下げ見送りの可能性も出てきた。

2024年