豊島逸夫の手帖

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金価格2050ドル突破

2024年1月15日

12日に発表された米生産者物価指数(PPI)は前月比0.1%「低下」。事前予測は0.1%「増加」。要は生産者物価が上がらず下がったわけで、これは利下げ早期観測を後押しする材料となった。

更に、紅海でイラン系フーシ派による船舶襲撃に対抗して、米英がフーシ基地を空爆。対してイランはホルムズ海峡でタンカーを拿捕。ホルムズ海峡は世界原油輸送の動脈であり、日本への中東産原油は全てここを通る。日本への原油供給が最悪ストップしかねない海域だ。今回の出来事は一過性だが要経過観察だ。

このふたつの材料で金は急騰したわけだ。
2050ドルを超えるといよいよ2000ドル台の値固めも本格的になる。金価格の歴史で2000ドルという最高値圏が当たり前になることは画期的なこと。筆者は2000ドル台値固めが簡単とは思わないし、紆余曲折はまだまだあると思うがジリジリ底値を切り上げる展開になってきた。長く金を見つめてきた者として隔世の感がある。筆者が金市場に関与するようになった1970年代後半は200ドルが当たり前で、その当時は1980年に875ドルまでオイルショックで上がったことは話題であった。200ドルが2000ドル。感慨深い。

2024年