豊島逸夫の手帖

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連休終って、仕事でもするか...

2009年5月7日

ゴールデンウイーク中はマーケットに大した異変はなかったね。欧米金融市場は米銀資産査定(ストレステスト)結果発表が今日7日(NY時間)にずれ込み、相変わらずその思惑で一喜一憂の展開。

NY株は、マクロ経済データの数字が好転、ストレステストの結果も悪くないだろうという予測で上昇傾向。

外為市場は、ストレステストに懐疑的で、リスク回避のドル売り、ユーロ買い、円買いという説明。

金価格は、上昇。直接的にはドル安、そしてマクロ経済指標好転=リフレ効果が影響。ストレステストにはやはり懐疑的な反応。

債券市場は、相変わらず米国債大量発行の消化不良を嫌って軟調=利回り上昇気味。

さて、そのストレステストだが、人間ドックの検査に譬えれば、検査前に自分の体に負荷をかけて(例えば暴飲暴食して内臓を苛めたうえで)各種検査を受けるとどうなるか、ということだ。そこで問題は、コレステロール検査とすれば、高脂血症の基準を220に置くか、240に置くか、260に置くか。その判断基準により結果は大きく異なる。

それから、どれほど暴飲暴食するかも重要な条件だ。銀行の資産査定の場合は、マクロ経済が悪化した場合に、どれほどの自己資本が必要かということだが、問題は"悪化"の度合。失業率などは実態がすでに9%に近づき、"悪化した場合"の前提条件に接近してしまった。従って、今日発表の結果がどう出ようとも、米銀の資産内容に関して真の安心感が出るとは思えない。一服感程度が感じられても、それは一過性であろう。

大局観で見れば、W~~型景気シナリオのWの真ん中の小山が見えてきた段階かな。でも小山の向こうの二番目の谷の深さまでは分からない。

と、ここまで書いてきたが、どうも休みボケで筆が走らないねぇ...。ゴールデンウイークは、気の置けない仲間たちと中国青島(チンタオ)に食い倒れ旅行。メンツは読者の皆さんが知っているところでは亀井幸一郎さんファミリーなど総勢11名で、旅行会社では立派なツアー扱いになる。

チンタオは中国で一番クリーンで安全な街。チンタオビールが名物だけに水は綺麗だし、ドイツの租借地であった歴史が残りワイナリーもあるほど。山東省にあるが、同省のキャッチフレーズは"山海有情"。海の幸も、山の幸(とくに果物)も豊か。今の季節は郊外に一面のさくらんぼ畑が広がる。

昨年7月にテレビ東京系のガイアの夜明けの中国金鉱山取材に同行したとき訪れて、すっかり気に入ったことが今回の旅行のキッカケになった。

食事も非常にレベルの高いもので、店の入り口に並ぶ20近い水槽の魚介類から、好きなもの選んで好みの料理してもらえる。大きなヒラメとかアワビとかエビとか食べきれないほど頼み、最高の贅沢三昧しても一人300元(4000円)くらい。

ただ、正月に経験してしまった広州の料理の水準には及ばず。値段も広州ではチンタオの半値程度だったな。何が違うかといえば、たとえばエビの熱の通し方。ブロッコリや中国野菜にしても、広州のほうは全く水っぽさがなく、しっかり熱が通って、かつ野菜のジューシーな感じが残る"アルデンテ"のゆで方であった。広州をトリプルAとすれば、青島はダブルA。

香港の広東料理もレベルは高いが、広州から廻ると、香港の味付けが濃く感じてしまう。それでも以前は香港が最高と思っていたわけだが...。そして本場中国に比較すると、日本の中華は全般にトリプルBくらい。しかも値段は高い。

同じ中国旅行でも、仕事抜きの気楽な旅行は体調にも良く、やせ過ぎの筆者が3キロも体重が増えた。同行した仲間たちは同じ体重増で嘆いていたけどね...。

秋の連休は昆明あたりにでも足を伸ばすかな、などと考えつつ、今日から青山の事務所に戻ると、また体重が減ってしまうのかな。ま、気張ってゆきますよ。

2009年