豊島逸夫の手帖

Page792 FOMC 2010年最後のイベント

2009年12月17日

注目のFOMCはサプライズなし。ここ2カ月ほどのマーケット推移をおさらいしてみよう。

―10月の米雇用統計が大幅に悪化。

―利上げ遠のき、超低金利政策が長期間継続との観測でドルキャリー拡大。
 ドルを借りて金を買う動き顕著。

―ところが11月の雇用統計は大幅に改善。

―にわかに利上げ前倒し論が浮上。ドルキャリー巻き戻し。金は売られる。

―ドバイ・ショックでエマージングなどのリスクが再認識され、リスクマネーがまた引込む兆し。

―さらに、ギリシアなどEU周辺諸国のソブリンリスク顕在化。ユーロが売られ、相対的にドル高。
 別にドル不安が改善されたわけではないが、ユーロ不安のほうが優るという価値判断。

―そして今回のFOMC。雇用統計が劇的に改善した後だけに、
 利上げを仄めかす表現がありか、との観測浮上。マーケットは身構えて12月9日を迎えた。

―結果は、これまでの声明に比し著変なし。
 金に関しては、これまで利上げを懸念して売られてきただけに、ホッと一安心。
 1120ドルまで急落したあとで、そろそろ買えるかな、というムード。
 利上げ近しという噂で売って、利上げはまだ先の話というニュースで買うという動きとなった。

―これでクリスマス休暇入り。
 12月28日以降の実質新年相場入りまで、大きな動きは出ないだろう。ただし、28日の週は、
 蓄積された市場エネルギーが新たな方向性を求めて活動を再開することになろう。
 日本の正月休暇中に大きく動き可能性あり。

―中期的要因としては、欧州のソブリンリスク。今、マーケットの最大の話題は、
 ドバイ、ギリシアの次はどこ?東欧、バルト諸国?という魔女狩りである。
 欧州に燻ぶる火種は、ユーロに売りプレッシャーをかけ、相対的にドルが浮上する。
 ドルキャリーは巻き戻されやすい。
 キャリートレードの投機マネーが一度撤退し金が売られる局面もあろう。

―しかし、今回のFOMCで下がらなかったので、
 目先、新年明けはロングから入る向きが多くなったと感じる。

ページトップ