2009年12月17日
注目のFOMCはサプライズなし。ここ2カ月ほどのマーケット推移をおさらいしてみよう。
―10月の米雇用統計が大幅に悪化。
―利上げ遠のき、超低金利政策が長期間継続との観測でドルキャリー拡大。
ドルを借りて金を買う動き顕著。
―ところが11月の雇用統計は大幅に改善。
―にわかに利上げ前倒し論が浮上。ドルキャリー巻き戻し。金は売られる。
―ドバイ・ショックでエマージングなどのリスクが再認識され、リスクマネーがまた引込む兆し。
―さらに、ギリシアなどEU周辺諸国のソブリンリスク顕在化。ユーロが売られ、相対的にドル高。
別にドル不安が改善されたわけではないが、ユーロ不安のほうが優るという価値判断。
―そして今回のFOMC。雇用統計が劇的に改善した後だけに、
利上げを仄めかす表現がありか、との観測浮上。マーケットは身構えて12月9日を迎えた。
―結果は、これまでの声明に比し著変なし。
金に関しては、これまで利上げを懸念して売られてきただけに、ホッと一安心。
1120ドルまで急落したあとで、そろそろ買えるかな、というムード。
利上げ近しという噂で売って、利上げはまだ先の話というニュースで買うという動きとなった。
―これでクリスマス休暇入り。
12月28日以降の実質新年相場入りまで、大きな動きは出ないだろう。ただし、28日の週は、
蓄積された市場エネルギーが新たな方向性を求めて活動を再開することになろう。
日本の正月休暇中に大きく動き可能性あり。
―中期的要因としては、欧州のソブリンリスク。今、マーケットの最大の話題は、
ドバイ、ギリシアの次はどこ?東欧、バルト諸国?という魔女狩りである。
欧州に燻ぶる火種は、ユーロに売りプレッシャーをかけ、相対的にドルが浮上する。
ドルキャリーは巻き戻されやすい。
キャリートレードの投機マネーが一度撤退し金が売られる局面もあろう。
―しかし、今回のFOMCで下がらなかったので、
目先、新年明けはロングから入る向きが多くなったと感じる。