豊島逸夫の手帖

Page783 アフリカの新宗主国はファンド?

2009年12月4日

アフリカの肥沃な土地を欧米のファンドがリース契約などで支配下に治めている。ゴールドマンサックス、モルガンスタンレーなどがアグリファンドを組成し、アフリカの土地を長期リースで借り受け、穀物を生産し、輸出するという目論見である。

AgInvesting(アグインべスティング)と題する機関投資家向けセミナーにはハーバード大学基金などが参加する。その背景には国際的資源獲得競争がある。穀物価格が上昇すると同時に、東欧や豪が干ばつに見舞われ、ケニヤ、スーダン、タンザニア、エチオピアなどに新たな農地を求めるようになったのだ。

その際に、現地で農地を取得する見返りとして、現地政府は現金(大概 どこかに消える)、道路 学校建設などを要求する。しかし、現地の住民たちは、自分たちに相談もなく、と憤り、21世紀版の植民地化の兆しと警戒する。

欧米ファンドと並び熱心なのが中東諸国。なんせ、油とカネはあるが、食物資源が決定的に欠けるから、その安定供給が国家的戦略プロジェクトだ。サウジはエチオピアで米と小麦生産プロジェクトに1億ドルを出資。その成果としての最初の収穫が、この秋に実り、盛大な行事が開催されたという。ケニヤはカタールの出資で港を建設してもらう見返りとしてコメ栽培用の広大な土地を提供した。(この話は以前も書いたことあるね。)

コメを求めて、グローバルに動く国々。コメ減反に動く日本。あいかわらず、世界を見ると、考えさせられることばかり。

さて、金市場は、引き続き史上最高値更新の日々。NYではゴールド・マーケットが、very crowded=大混雑と表現される。限られたスペースに乗客がラッシュアワー並みに詰め込まれた状態を端的に表しているね。

ジム・ロジャースはビジネスウイーク誌上のマリア・バルティロモ(CNBCクロージングベルのキャスター)とのインタビューで、「金は長期的には上がるけど、今は皆が強気だから買わない。やがて調整が来ると思うから。でも、だからといって売りもしないよ。逆にドルは全員が弱気なので、大した量じゃないけど買っている。1か月前よりドルの持ち高が増えたのは確か。」

皆が同方向を向くときの危うさという点では、全く同感だね。

なお、彼は、今日のトピックのアフリカ投資に非常に積極的。「コンゴに行ったら、何も植える必要など無い。黙って道端に座って待っていれば、そのうち何か生えてくるよ。」だと。
"In the Congo, you don't even have to plant anything. You just sit by the road long enough, something will grow."
シンプルな英語でしょ。このユーモアのセンスは好きだね。

"There are many, many pessimists about the dollar...So many pessimists that I suspect there's a rally coming"
ドルには悲観論者の多いこと、多いこと。あんまり多すぎて、いずれ、これはドル買いのラリーが来るぜ。とも語っている。

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