豊島逸夫の手帖

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真夏の夜の夢 ― リスク回帰相場

2009年8月5日

株高が安心感を生み、外為市場ではドルに逃避していたマネーがリスク資産に回帰。結果、ドルが売られ対ユーロでドル急落。レンジの上値を抜け1.43、一時は1.44までつけた。

このドル安の影響で、商品価格は上昇。金もいつのまにか960ドルを突破している。今の金価格要因をまとめると、以下。

―上げ要因:ドル安、中銀売却急減(ワシントン協定内の売却は今年度140トンに留まっている)、中国の経済成長回復。

―下げ要因:インドの金実需依然低迷(7月の金輸入はわずか7トン。前年同月比マイナス66%)、金ETF残高逓減(ていげん)傾向、高値圏ではドバイなどでリサイクルも急増中。需給はジャブジャブ。

結局、金融資産としての金がドル安で買われ、商品としての金は売られている。

総じて、リスクマネーの動きほど当てにならないものもない。マーケットのセンチメント(雰囲気)次第で猫の目のように変わる。930ドル以上は、再三述べてきたように、ショート(空売り)の買戻しが主体。夏季休暇中の薄商いがもたらした真夏の夜の夢か。

2009年