豊島逸夫の手帖

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ドバイショック その後

2009年11月30日

先週金曜日には、午後に緊急原稿でドバイショックの影響をとりあえずまとめたが、掲載が間に合わなかったので今朝あらためてアップする。

本稿は、その続編。

金に関しては金曜の日中に1130ドル台まで急落した後、1080ドル近くのショック前の水準に戻している。

サブプライム後、世界中でいろいろなバブルが連鎖的に弾けたが、今回のドバイが、いわゆる俗に言うバブルっぽいバブルの最後の崩壊ではないかと思う。俗に言うバブルっぽいバブルとは、たとえ砂漠の中に忽然と現れる7つ星ホテルなど、いかにもやり過ぎという現象のことだ。

なお、ドバイ信用不安の兆しについては、本欄2009年2月4日「中東でも公的資金投入」で詳説した。 今でも鮮度が高い内容なので、今一度読み返して欲しい。

結果的には、ドバイショックで、おっかなびっくり活動を再開させていたリスクマネーが、またぞろ慌てて首をすくめて殻の中に戻るという現象は見られよう。しかし、長期的には一過性ショックと見る。

さて、そのドバイショックの翌日28日は、新日経ホールが満席になりました。日経プラスワンのゴールドセミナーに集まった参加者は、500名を大きく上回ったのです。ゴールドのセミナーとしては過去最大規模と言っていいでしょう。

ブログで予告通り、会場で皆さんからの質問票を回収して、それをぶっつけ本番で壇上にて読みつつ答えようという目論見は甘かった。質問票は200枚以上に達し、休憩時間中にも1/3程度しか読み切れず。ただ、質問の多くが、今後の相場動向、円高の影響、ドバイショックなどに集中していたので、講演でカバーできていたと思います。答えきれなかった部分は、これから本欄にて答えてゆきましょう。

熱心なブログ読者の方々が多く、毎朝書く身としては、あらためて勇気づけられました。筆者が毎朝書く原稿を平均2万人の読者が読んでくださるという事実が心の支えになっています。「やせたようで心配」というコメントもありました。お気遣い有難うございます。ぶっちゃけ、サブプライム勃発以来の蓄積疲労で少々しんどいですが、来年はスローダウンすることに決めました。もう年の瀬を迎え、この一年の早かったこと。「仕事ばかりしている場合ではない。人生を楽しまねば。」という心境になっています。スポーツ記事のFA宣言などという言葉が妙に響きます。

それから、今日30日、日経CNBCに生出演します。午後5時(再放送午後8時過ぎ)のデリバティブ番組。タイミングも良いので金市場動向など語ろうと思います。

日経CNBCでは、別に12月放映で金特番も予定されており、日経マネーディジタルで筆者と同じようにブログ形式のコラムを持っているタレントの森下千里さんと対談することになっています。すでに日経マネー本誌の来月号「2010年 資産運用全予測」という特集のために対談をしており、その時の様子が日経マネーディジタルの編集者ブログや彼女のブログにも出ています。彼女がFXにはまっているということで、世界情勢の話などしました。非常に頭の回転が速く 性格的にも好感が持てる女性です。

最後に、今週の注目はなんといっても4日金曜日の米雇用統計。悪く出れば低金利継続予測はますます高まり、逆に予想外に好転していたりすると利上げ早まるの観測で、金の手仕舞い売りのキッカケになる可能性もあり。

そして、まずは今夜、感謝休暇明けのNY市場「本格再開」に注目。先週金曜日は米国市場が閑散とした中でのドバイショックであったから、その真の反応が今夜見られる。クリスマス商戦の口火を切る先週のブラックフライデーは、人出こそ出たものの客単価が大幅に減って減収だったようだ。

2009年