豊島逸夫の手帖

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雇用統計直前

2014年2月7日


米雇用統計前に、株は持ち直し、円高も一服して102円台。
前座の雇用関連の統計である民間ADPやら、失業保険申請数などの数字が良かったので、安堵感が生まれてきた。
金は1260ドル台、プラチナは1380ドル台で本番の雇用統計を迎える。
今回の雇用統計の注目点は、失業率が6.5%まで下がるか。
バーナンキ前FRB議長は、失業率が6.5%まで下がることを、利上げ(引き締め)への実質的転換条件としてフォワード・ガイダンスに示してきたからだ。
すでに12月の雇用統計で6.7%まで下がっている。
しかし、市場では、ここまでくると、例えば、失業率の目標を6.5%から6.0%にまで引き下げる可能性もあると見ている。FRBは、まだ、利上げを検討する段階には至っていないからだ。
更に、失業率が下がっても、その要因は職探しをあきらめる人が増えたことによる「労働参加率」の低下によるもので、必ずしも良い数字と言い切れない面がある。もはや、失業率を金融政策の目標の一部に加える妥当性がない、と主張する人たちも増えてきた。
今日発表される「速報値」が、来月、再来月になって「上方修正」とか「下方修正」されるようなことも頻繁におきるので、市場関係者も、単月の大きな変動に対して、あまり強く反応しなくなってきている。
さて、今回はどうでるか。


昨日は、日経ジェフムック用に、亀井幸一郎と池水雄一の3人で対談した。場所は六本木の国際文化会館。元岩崎邸で、都会の中なのに、大きな庭があり緑が多くくつろげるスポットだ。


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2時間たっぷり話したけど、ややプロっぽいハナシに流れたけれど、3人それぞれの見方が微妙に異なって、興味深かった。たまには、こういうことも やってみるものだね。ちなみに、金は私が一番弱気で、プラチナは私が一番強気でした。あくまで2014年単年限定の話ですが。2020年東京オリンピック までの長期となると、一転して金には強気で7700円説をぶちました(笑)。株価で4000円が6年かけて7000円になるなど、全く不思議ではないの に、金だと、驚かれる。その反応が解せない。来週の予想より2020年の予想のほうが、遥かに易しい。

2014年