2014年8月13日
ブログに、お盆期間中にもロシアのウクライナ侵攻あるかも、と書いた矢先の昨日日本時間夕方になり、ロシアのテレビに多数の白いトラックがモスクワからウクライナに向け出発する映像が流れた。「ウクライナ東部地区で孤立する住民への救援物資を積む280台のトラック」と説明された。しかし、トラックに赤十字のマークは見られない。
チェチェン・グルジアを侵攻した国ゆえ、ウクライナ政府もEUも疑心暗鬼だ。この救援部隊がウクライナ国境に到着するのが「数日後」なので、日本のお盆期間中に、ウクライナ問題が大きな山を迎えそうだ。
イラクではオバマ大統領の「人道的見地の救援活動」が、「テロリスト集団撲滅」にエスカレートして、既に5日連続で空爆が実施された。
一方、ウクライナでは、プーチン大統領が「人道的見地の救援活動」実施に動いているわけだ。
プーチン大統領の選択肢が限定されているので、窮余の一策の決着が注目される。
ポイントは国際赤十字関与のお墨付きの有無。ロシア側はウクライナへ越境後は赤十字の保護下と説明するが、当の赤十字側からは「本件は、まだ確認されず」とのコメント。
さらに、仮に280台のトラックに赤十字のスティッカーが貼られても、モスクワからウクライナ東部ルハンスクへの輸送作戦に対する警戒感は残るだろう。ルハンスクと中心都市ドネツクを結ぶ道路がウクライナ政府軍により遮断され、現地住民と親ロ派への武器・食糧補給ルートが絶たれているからだ。
イラクではオバマ大統領の「人道的見地の救援活動」が、「テロリスト集団撲滅」にエスカレートして、既に5回の空爆が実施された。その直後に、ウクライナでは、プーチン大統領が「人道的見地の救援活動」実施に動いているわけだ。
イラクもウクライナも問題の長期化は必至。
市場は年末あるいは来年まで地政学的リスクとの対峙を強いられそうだ。
一般的に地政学的要因は市場の材料としては陳腐化が速いのだが、今年は複合的に連鎖症状を呈しているからだ。ガザ問題に加え、リビア不安も勃発した。欧米市場の懸念材料リストには日中領土問題も残る。
しかし、市場には、もう一つの大きな材料がある。FRBの量的緩和終了、そして利上げのシナリオだ。米国の金融政策にかかわるマクロ経済要因ゆえ、ジワリとボディーブローの如く効くは必至である。
先週も、イラク・ウクライナ問題の影で相対的に注目度が薄かったが、フィッシャーFRB副議長がストックホルムで興味深い講演をしている。「労働参加率の低下と、米国住宅市場回復の遅れが、経済成長回復期待を失望させる二つの要因」と断じて、イエレンFRB議長と合唱するごとく息の合った発言をした。例えば、労働力の高齢化という構造要因と、求職を当面あきらめるという景気循環的現象の指摘など、まさにイエレン氏の持論そのものである。
市場には前回のFOMCでタカ派の巨匠プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁が、ひとり反対論を唱えたことが明記されたことで、利上げ早期前倒し懸念が台頭していた。FOMC内の亀裂も危惧された。
そこに、バーナンキ前FRB議長の恩師という大物副議長フィッシャー氏が、ハト派的見解を述べたことで、再び、「困ったときのFRB頼み」の安心感が生じている。
量的緩和が終了しても、ばら撒かれたマネーが回収されるには時間がかかる。その前に利上げが始まるだろうが、その時期は来年以降、となれば、投資家のリスク志向が高まることは必至だ。
目先、地政学的要因でリスクオフ状態から抜け切れないが、市場の底流を見れば、流動性のマグマがジワリ活性化している。マーケットでは、プーチン大統領の言動に翻弄される投資家と、イエレン議長の言動にすがる投資家の対比が鮮明だ。金、プラチナともに下値は、この過剰流動性により支えられる。この過剰流動性は、新興国にも先進国にもばら撒かれている。
さて、昨日は暑気払いで「駒形どぜう」の店に行きました。子供の頃、父母の実家のそばの田んぼで、ドジョウ獲った経験はあるけど、食べるのは初体験。よく鬼平犯科帳で、密偵たちが、ドジョウとか、しゃも鍋をつつく光景がイメージされるけど。ネギやゴボウをタップリとトッピングでかけて、山椒をまぶして食する。マルと柳川と食べました。昔ながらの、タタミの上の低い台に鍋のせてつっつくのが、いい感じだった。個人的には、ウナギのかば焼きのほうがいいかな~笑
しかし、ドジョウ鍋の匂いがカラダについて、夜まで匂ったから、ドジョウ・パワー恐るべし!
帰りに浅草の仲見世(中国人観光客だらけだった)に寄って、出来立てホヤホヤの人形焼一個60円也を2個食べたのが、うまかった。なんでも、出来たては、うまいね。
帰宅して、CNN見ていたら、本文に書いたモスクワのテレビ映像が映ってビックリ。即、仕事モードに復帰した次第。
今年のお盆は目が離せない。
長めのNY出張も控えているので、雑用も多いし。